老いの失敗学を考える交流会
超高齢社会の進行に伴い、私たちの生活は急速に変化しています。内閣府が発表した「令和4年版高齢社会白書」によると、2025年には国民の約3人に1人が65歳以上、約5人に1人が75歳以上を占めると言われています。こうした背景を受けて、理化学研究所では「老いに失敗学を役立てる」というテーマで、特別な対談・交流会を開催することが決定しました。
イベント概要
この対談イベントには、「失敗学」の提唱者であり、東京大学名誉教授の畑村洋太郎先生をお迎えします。イベントは2024年8月20日、理化学研究所の日本橋オープンスペースにて開催され、参加費はなんと無料です。参加者は約70名程度を見込んでおり、老いに関する知見を深める貴重な機会となるでしょう。
日時: 2024年8月20日 (火) 13:00~15:00 (開場12:30)
会場: 理化学研究所(日本橋)オープンスペース
アクセス: 東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング15階
畑村洋太郎先生の「失敗学」
畑村先生の理論では、「失敗」と「老い」は避けがたい現象であり、その共通点は「リカバリーできること」であるとされています。具体的には、認知機能の低下に気づき、推論や言語能力といった落ちにくい機能を活用する方法が提案されています。畑村先生は、このアプローチに基づいて『老いの失敗学』を執筆し、その中で自らの経験と知見をもとに、老いをポジティブに捉える方法を模索しています。
今回のイベントは、参加者が老いに伴う変化をどう受け入れ、どう乗り越えるかを考える場となるでしょう。特に、創意工夫を持って老いと向き合うことが、認知症予防にもつながるというメッセージが重要です。畑村先生と大武美保子氏との対談では、失敗学の視点から「よい老い」と「悪い老い」の違いや、悪い老いを避けるためのヒントについても触れられる予定です。
交流会とワークショップ
対談の後、参加者はミニワークショップを通じて、実際に自らの視点や経験をポストイットに記入し、他の参加者と共有します。このプロセスを通じて、老いに対する新たな認識を深め、視野を広げる機会が提供されることになります。特に、共に学び合うことで得られる気づきや経験は、参加者にとって大きな財産となるでしょう。
参加方法と今後の計画
参加希望者は、提供されたリンクから申し込みが可能です。なお、当日はライブ配信は行いませんが、後日動画が公開される予定ですので、参加できない方も公式サイト等を通じて内容を確認することができるでしょう。
高齢化が進む中で、失敗学の視点を取り入れつつ、老いに対する前向きな捉え方を模索するこのイベントは、多くの人々にとって有意義なものであると期待されています。
畑村洋太郎先生と大武美保子氏の略歴
東京大学名誉教授であり、失敗学の提唱者です。多くの著書があり、失敗を学びの機会と捉える姿勢を広めています。
理化学研究所で認知行動支援技術チームをリードする専門家。NPO法人ほのぼの研究所の代表としても高齢者支援に尽力しています。
終わりに
「老い」に対する新たな視点を持つことは、私たち一人ひとりが直面するテーマです。このイベントを通じて、多くの方々が「創造的に老いる」実践のヒントを見つけ出せることを願っています。