能登の復興を描く:自画像教室展の開催
日本海に面する美しい能登半島。残念ながら、昨年の能登半島地震および豪雨によって、珠洲市を含む地域は二重の災害を体験しました。この困難な時期に、人々がそれぞれの心の内面を表現する機会を与えるために計画されたのが、「2024年-2025年の能登の自画像教室展」です。この展示は、クリエイティブディレクターでアートディレクターの福井崇人さんとマテックス株式会社の共同プロジェクトとして進められています。
自画像教室の意義
福井崇人さんは「自画像はセルフカウンセリングである」との思いを持っています。被災地の子どもたちは、表現の場を失ってしまったことで、自らの感情を理解するのが難しくなっていました。そんな中、皆がそれぞれの思いを自画像に込めることができる自画像教室を開催することになりました。実施は2024年8月と2025年2月の二回にわたります。これは、時間をおいて自分を見つめ直し、進化した姿を確認するための重要なプロセスです。
自画像の変化
同じ人物が異なる時期に描いた自画像を見ることで、心の変化を観察することができます。強い意志を持った線や、表情の優しさは、それぞれの参加者が抱えた感情や思いを如実に表現しています。「上手に描くこと」にこだわらず、ただ自分自身を観察し、心を見つめることに注力した結果、参加者たちはそれぞれの感情をわかりやすく描き出しました。
展示では、これらの自画像85点が一堂に並びます。初日にはオープニングイベントが予定されており、参加者の中から小学生が登壇し、自画像とともに自らの思いを語る貴重な機会となります。また、その後に行われる社会貢献活動についてのパネルディスカッションも皆さんの関心を集めることでしょう。
展示の詳細
「2024年-2025年の能登の自画像教室展」は、東京メトロ副都心線の「雑司ヶ谷」駅近くにあるHIRAKU 01 IKEBUKUROSOCIAL DESIGN LIBRARYで、3月25日から30日の期間に開催されます。入場は無料ですが、被災地支援のための募金箱が設置され、ご協力をお願いしています。
この展示は、珠洲市での小中学校における自画像教室を振り返り、さらにその成果として具体的な形を成すものです。参加者たちの心の復興を共に感じる場であり、我々みんながその力強さを学ぶ機会でもあります。
最後に
能登半島は未だ多くの課題を抱えていますが、アートを通じてできるコミュニケーションの力を、この自画像教室展で感じてみてはいかがでしょうか。心の復興を描く機会として、ぜひお越しください。