完全養殖『三保松ひらめ』『三保松はぎ』の初出荷がスタート

陸上養殖魚の新たな魅力

静岡県静岡市清水区三保に位置する日建リース工業の三保地下海水養殖センターでは、管理された環境で育てられた完全養殖の陸上養殖ひらめ『三保地下海水育ち・三保松ひらめ』と陸上養殖かわはぎ『三保地下海水育ち・三保松はぎ』が初めて出荷されました。この新たな試みは、地域の水産業の発展にも寄与することが期待されています。

養殖の特徴と名称の由来

『三保地下海水育ち』という名称は、ユネスコの世界遺産にも登録されている三保松原の近くから採水された清浄な地下海水を用いていることが由来です。この地下海水は、寄生虫や雑菌がほとんど存在しないため、非常に安全な環境で養殖されており、アニサキスなどの感染リスクがないのが特長です。そして、この新たな魚たちの名前にも地域に誇る想いが込められています。彼らが世界に誇れるひらめとかわはぎとして成長することを願って名付けられました。

三保松ひらめの魅力

『三保松ひらめ』は、卵から出荷まで厳密に管理された環境で育てられるため、海を知らないひらめが特徴です。特筆すべきは、クドアフリーであること。これは寄生虫の一種が含まれないということを意味しています。また、100%のトレーサビリティが保証されているため、消費者はいつどこで育ち、どのような餌が与えられたかを知ることができます。特に、こだわりの餌によって得られる白身の旨味が話題です。

三保松はぎの特徴

一方、三保松はぎも見逃せません。特有のこだわりの餌を在庫に持つこの魚は、肝がしっかりと入っている良質な身が自慢です。加えて、常に安定した水温で育てられており、臭みのない美味しさが引き立っています。やはり、こちらも生食用としてお薦めです。

安全性と生産管理

三保松ひらめ、三保松はぎともに、常に清浄な地下海水が流れ、ほぼ無菌の環境で育成されるため、身質が安定し、安心して楽しむことができます。生産地に近いところで加工され消費されるため、安全管理が徹底されています。また、多槽生産方式を採用しているため、ニーズに応じた生産管理を行い、一年を通じて新鮮な食材を安定供給することが可能です。

三保の魅力を全国へ

この新たな養殖魚は、単なる食材としてだけでなく、地域のブランドとして確立していくことを目指しています。この取り組みは、地元の企業と大学が協力する産学連携の一環として進んでいます。東海大学海洋学部と連携し、三保地下海水を活用した養殖の研究も進行中です。

交流会での紹介

それに伴い、静岡市は「令和6年度静岡市交流会」を開催し、三保松ひらめと三保松はぎを紹介することになりました。首都圏の関係者や国会議員に向けて、静岡が誇るこの新鮮な魚介を知ってもらう良い機会となるでしょう。

この取り組みを通じて、『三保地下海水育ち・三保松ひらめ』と『三保地下海水育ち・三保松はぎ』が、地域の象徴として育っていく姿が今から楽しみです。