歴史を共に守る「PlanetDAO」とは?
最近、世界的な評価を受けたプロジェクトがある。日本の歴史的建物の保全を目的とした「PlanetDAO」だ。この取り組みは、世界23ヶ国、289人の個人からの支援を受け、素晴らしい成果を上げている。
「PlanetDAO」は、日本初の株式会社型DAO(分散型自律組織)の形式を用いて、地域の歴史的建造物を共同所有する仕組みである。地域住民が経営に主体的に参加できる「共創型ガバナンス」の設計が評価され、一般社団法人日本Web3ツーリズム協会主催の「Japan Tourism NFT Awards 2025」でグランプリを受賞した。
この賞を受けたことは、文化財保全の新しいモデルとなる可能性を示唆している。特に、地域住民の声を反映させることができる仕組みはとてもユニークで、地域のアイデンティティを守るための重要な要素となっている。
那智勝浦町の取り組み
「PlanetDAO」の具体的な取り組みの一つは、和歌山県那智勝浦町でのプロジェクトである。この地域には、築170年の無住職寺院が存在し、過疎化や住職不足に悩まされている。そこで、地域の人々はこの寺院を宿泊施設として再生するプロジェクトに取り組んでいる。
このプロジェクトには、海外からの投資者も多く、約80%が国際的な参加者だ。彼らは、日本の美しい歴史的資源を次世代に引き継ぐために情熱を注いでいる。フィリピンからのジュリーさんは「那智勝浦の美しさを守りたい」と語り、イギリスのジュリオさんは「地域のアイデンティティを大切にしながら資金を集めたい」と述べている。
地域住職の期待
大泰寺の住職、西山十海氏もこのプロジェクトに期待を寄せている。「お寺を消費されるだけでなく、次世代へとリレーする時代が来ている」と話し、共同所有の形が将来的には新たな「檀家制度」となることを願っている。
佐渡市の取り組み
もう一つの注目プロジェクトは、新潟県佐渡市にある登録有形文化財「北條家住宅」の再生である。ここでは、江戸時代から地域の医療を支えてきたこの邸宅を、宿泊・体験型の拠点として再生しようとしている。
北條家の11代当主である北條規氏は、個人での維持管理が限界に達していることを認識しており、このプロジェクトが要となると確信している。彼は「単なる物件譲渡でなく、地域の人々が議決権を持つことが非常に重要だ」と強調した。
審査員の見解
審査員である石井康一氏は、地域活性化における「PlanetDAO」の活用法に着目している。彼はこのプロジェクトが観光資源を支えるために非常に重要であると述べ、地域の観光施策に適用できる可能性を秘めていると考えている。
最後に
「PlanetDAO」は、地域の歴史的建物を保全するだけでなく、地域住民や世界中の支援者が共に未来を築いていく姿勢を示している。株式会社Planet Labsの代表である西村環希氏は、「文化財をただの観光資源として消費するのではなく、共に守っていく努力が必要だ」と語り、このプロジェクトの意義を強調している。これからもこのプロジェクトを通じて、日本の文化と歴史を未来へと引き継いでいく挑戦が続くであろう。