白糠町とイミュー、未来を見据えた海の資源活用
北海道白糠町が2025年11月4日に、環境省主催の「第1回気候変動適応情報交換会」で紹介した事例が、地域漁業の明るい未来を示しています。
漁業の変革をもたらす極寒ぶり®プロジェクト
このプロジェクトは、海水温の上昇により漁獲される魚種が変化したことを背景に、新たな資源であるブリに注目し、白糠町の漁業と地域経済の再生を目指します。
白糠町の漁業協同組合と株式会社イミューが協力し、ブリを高品質なブランドに仕立て上げる取り組みが進行中です。このプロジェクトでは、漁師が魚の生産から販売までを通じて理解し合い、環境への配慮も行いながら従来の漁業モデルに新たな息吹を与えています。
変化をポジティブに捉える
白糠町の漁業は、近年の気候変動により新たな挑戦が迫られる中で、秋鮭の減少に代わってブリの漁獲量が急増しています。この変化は漁師たちにとって危機ではなく、チャンスととらえられています。
「極寒ぶり®プロジェクト」では、ブリを新たな地域資源として位置づけ、その品質を向上させるためのさまざまな取り組みが進んでいます。具体的には、船上での鮮度保持やデジタル技術を活用した漁業の改革(DX)が進行しています。
漁師と企業の連携が生む新文化
漁協、地元企業、行政が連携しながら、地域にオリジナルの加工品を提供することにより、これまであまり知られていなかったブリの魅力を広めています。加えて、ふるさと納税を通じた資金調達が、地域の発展を支える重要な役割を果たしています。
白糠町役場もこのプロジェクトを支援し、地元の漁師たちの意識改革に寄与しています。参加者の意見交換が活発に行われ、新しい技術への挑戦やブリのブランド化に向けた動きが加速しています。
未来への展望
「極寒ぶり®プロジェクト」が成功すれば、白糠町はさらなる成長を遂げることができるでしょう。今後はホタテやナマコ、昆布といった他の魚種への展開も検討されています。これにより、変化がもたらす新しい機会を最大限に活かし、持続可能な農業と漁業の確立を目指します。
このように、白糠町は気候変動に対抗するための官民連携のモデルケースとして、自らの地域性と文化を大切にしながら、未来へ向かって進んでいます。