2026年度に見込まれる賃金動向
2026年度における企業の賃金改善の見込みが63.5%に達し、ベースアップの実施企業は58.3%に及ぶことがわかりました。この数値は過去5年で最高となっており、2年連続で6割を超える結果となっています。賃上げの理由としては、労働力の定着と確保が74.3%と最も多く、最低賃金の改定も29.2%に達しました。
調査背景と目的
帝国データバンクは、2026年度の賃金動向を把握するために全国2万3,859社を対象に調査を実施しました。その結果、調査参加企業が賃金改善を見込む理由や業種ごとの傾向が浮き彫りになりました。
従業員数あたりの分析
特に、中規模企業における賃金改善の見通しが顕著で、「51〜100人」「21〜50人」規模の企業では7割を超えており、最も高い期待を寄せています。「6〜20人」や「101〜300人」においても、賃金改善が進む傾向が見受けられます。一方、1,000人以上の企業では期待がやや後退しており、5人以下の企業では賃金改善を見込む企業が41.6%に留まったため、小規模事業者の課題が浮き彫りになっているといえるでしょう。
業界別の動向
業界別に見ると、製造業が71.5%で最も高く、運輸や建設業も続いています。特に運輸業界は人手不足が深刻な問題となっており、その影響で賃金改善の必要性が高まっています。
賃上げ実施の具体的な理由
賃金改善を見込む企業に訪ねたところ、労働力の定着や確保が一番の理由として上がっています。続いて、従業員の生活を支える必要性や物価動向が挙げられ、最低賃金の改定が影響を及ぼしていることが明らかになりました。実際に2025年度に最低賃金が引き上げられた影響で、この理由を挙げる企業の割合が過去最高を記録しています。
賃上げを行わない理由
反対に賃上げを行わない企業の中では、自社業績の低迷が55.1%と最も多く、その次が物価上昇の影響であることが指摘されていました。また、新規採用や定年延長に関連する人件費の増加も賃金改善を行わない要因として注目されています。
総人件費の見通し
さらに、企業の総人件費は2026年度に平均4.51%増加すると予測されています。特に中小企業の従業員給与は平均4.53%増となる見込みであり、それに伴う賞与や福利厚生費もそれぞれ増加する見通しです。
存続的な賃上げの重要性
このような賃金改善の動きは、持続的な賃上げと物価のバランスを確保するためには十分なテコ入れとなるでしょう。具体的には、企業が労働力の確保や生活支援を念頭に置き、賃金を安定させる必要があります。春闘に向け、賃上げの動きや条件も整いつつあります。
今後、企業が持続可能な賃上げを行えるかが焦点となり、労働市場への影響も大きくなります。