物流・飲食・小売業界におけるスキマバイト活用が人手不足対策に貢献

物流・飲食・小売業界におけるスキマバイト活用状況

はじめに

近年、さまざまな業界で人手不足が深刻化しています。特に物流、飲食、小売業界の企業は、従来のアルバイトやパート採用だけでは対応しきれない現実に直面しています。そこで注目されているのが、スキマバイトという新しい形の働き方です。今回は、株式会社メルカリが実施した「物流・飲食・小売業界のスキマバイト活用実態に関する調査」を基に、各業界におけるスキマバイト利用の状況やその背景を探っていきます。

スキマバイトの普及とメルカリの取り組み

メルカリは、2024年3月からスキマバイトサービス「メルカリハロ」の提供を開始し、登録者数が1,000万人を突破しました。直近の1年でスキマバイトを活用する企業が急増しており、業界全体の動向としてもスキマバイトが広く受け入れられています。スポットワーク協会のデータによると、2025年2月時点でのスキマバイト登録者数は約3,200万人に達する見込みです。

人手不足の原因としては、構造的な労働力不足が挙げられ、2025年にはその不足人数が500万人を超えると考えられています。フリーランスや副業化の進行もこの流れに拍車をかけています。特に「103万円の壁」の撤廃により、通常のアルバイトとスキマバイトを組み合わせるハイブリッドな働き方が増えると予想されます。

調査結果の概要

調査は、スキマバイトを活用し、人手不足に直面する企業600名を対象に行われました。結果からは、以下のことが明らかになっています。

- 83.3％の事業者が「人手不足が深刻」と回答。
- 31.2％は「スキマバイトサービスがないとお店が回らない」と認識。
- スキマバイトを利用する企業の約6割が1年以内にサービスを利用を開始し、満足度も高い結果が得られた（約8割が満足）。

これらのデータは、スキマバイトが労働力不足対策としてどれほど重要な役割を果たしているかを示しています。特に、スキマバイトを導入している店舗では、即戦力としての働き手が求められていることが浮き彫りになりました。

業界別のスキマバイト活用傾向

物流業界

物流業界では、平日のスキマバイト活用が多く見られ、特に早朝や深夜の時間帯に需要があります。一方で、雇用するスキマバイトの人数は平均15.7人に上り、これは他業界の数倍に達します。業務が一斉的に必要なため、スキマバイトの活用が特に重要視されています。

飲食業界

飲食業界では、スキマバイトの活用が週末の金曜日から日曜日に集中します。こちらもピーク時間帯に合わせた柔軟なシフトとなっており、客の増加に迅速に対応するニーズがあります。

小売業界

小売業界でもスキマバイトは特に有効で、店舗によってはスキマバイトが全ての雇用形態を占める場合もあります。小売業においては、スキマバイトを採用することで、業務の繁閑に応じたスピーディな人員調整が可能です。

メルカリハロの影響

メルカリハロを利用することで、スタッフの採用基盤が広がり、様々な年齢層からの採用が可能になったと多くの企業から報告されています。また、メルカリハロで働いたスタッフの中には、そのまま店舗での買い物をする人も増えており、顧客との関係性の強化にも繋がっています。

終わりに

スキマバイトという新しい雇用形態は、今後も多様化する働き方の一環として重要な役割を果たすでしょう。企業側は、単に人手不足の穴埋めに留まらず、採用戦略としてスキマバイトを効果的に活用することが求められています。メルカリは、スキマバイトを気軽に利用できる環境を整え、さらなる人手不足解消に向けた取り組みを推進していく考えです。これにより、より多くの人が自分に合った働き方を見つけ、生活の質を向上させることが期待されます。