東京証券取引所の新たなルール、上場企業への影響は？

東京証券取引所の新ルールと上場企業の対応

2025年7月から施行される東京証券取引所の新ルールに関する調査結果が、経営資源の戦略的な投資判断を支援する経営管理プラットフォーム「DIGGLE」を手掛けるDIGGLE株式会社によって発表されました。この調査は、上場企業の経営者やIR担当者を対象に行われ、IR体制の整備義務化や上場維持基準の変更についての認知度や懸念事項について探りました。

調査結果のサマリー

調査によれば、「IR体制の整備義務化」について把握している企業は全体の52.4%にとどまり、グロース市場の上場維持基準の変更については60%が知らないという結果が示されています。また、IR整備に対する懸念を抱く企業も多く、把握している企業の57.0%が何らかの不安を感じていることがわかりました。

専任IR担当者の設置状況

調査によると、プライム上場企業の90.1%が専任のIR担当者を置いていることが確認されましたが、スタンダード市場では52.2%、グロース市場では66.7%にとどまるという結果も見受けられました。これは、企業の上場区分によってIR体制の充実度に差が存在することを示しています。

IR活動と経営管理の連携

上場企業の92.7%は、IR活動と経営管理の連携を重視しています。特にプライム市場の企業ではこの連携が「非常に重要だ」とする意見が45.2%に上り、スタンダード市場やグロース市場よりも高い割合を示しました。こうした結果は、IR活動が企業経営においていかに重大な役割を果たしているかを物語っています。

専門人材の課題

調査では、自社のIR体制が十分であるとする意見と、逆に改善が必要との意見が分かれました。ポジティブな評価の中では「しっかりした体制」「株主との良好なコミュニケーション」が挙げられましたが、ネガティブな意見では「人材不足」といった問題が浮き彫りになりました。IR専門の人材を確保することがIR体制の強化にとっての課題であることが考察されています。

コーポレート・ガバナンス報告書への記載状況

2025年6月中に求められるコーポレート・ガバナンスに関する報告書において、「IRに関する部署（担当者）の設置」を記載している企業は85.9%に達しました。この中で24%が追記を予定していると回答し、企業のIR体制構築の動きが着実であることが伺えます。

まとめ

東京証券取引所の新ルールに対する上場企業の認識や対応は、依然として大きな課題を抱えています。とりわけ、IR体制の整備義務化に対する認知度や懸念は、今後の企業活動や経営戦略に影響を及ぼす大きな要素となるでしょう。経営の透明性向上が求められる時代において、企業はこれらのルールをどう捉え、どのように対応していくかが重要です。

DIGGLEは今後も、経営資源の戦略的な投資判断をサポートするプラットフォームの提供を通じて、企業の成長に貢献する活動を続けていきます。