新サービス「Web2MD」の登場
2025年7月27日、FYBE株式会社が無償で提供する新サービス「Web2MD」のβ版がリリースされました。このサービスは、Webページの内容をAI対話向けに最適化したMarkdown形式に変換することができ、特に開発者やリサーチャーの生産性を劇的に向上させることを目指しています。
コンテキスト膨張問題とは?
これまで、WebサイトのURLを直接大規模言語モデル(LLM)に入力すると、さまざまなHTMLタグやCSS、JavaScript、広告などの「ノイズ」が含まれてしまうため、コンテンツの本質が埋もれてしまうという問題がありました。特に、本文以外の要素がノイズの90%を占める状況では、数千トークンが無駄に消費されることになります。
FYBEの代表である内藤剛汰氏は「欲しいのは記事の中身だけなのに、ヘッダーや広告まで食わせてコンテキストを圧迫するのは非合理です」と問題提起しています。こうしたコンテキスト膨張問題を解決するために、Web2MDが開発されました。
Web2MDの機能と利便性
Web2MDは、HTMLからMarkdownへの変換を通じてノイズの混入を防ぎ、重要な情報に焦点を当てるとしています。具体的には、ページ内の無関係な要素(nav、aside、footerなど)を自動的に除去し、構造化されたメタデータを生成します。この結果、LLMがコンテキストを即座に理解できる精度が向上し、コスト削減にもつながります。
また、「Markdown形式にコピー対応していないサイトのコンテンツも迅速にMarkdown化できる」と内藤氏は述べています。これにより、開発者やリサーチャーは有用な情報をすぐに手に入れることができるのです。
使い方はシンプル
Web2MDはCLI(コマンドライン)やブラウザを通じて使うことができ、URLを入力するだけで簡単にプレビューを確認後ダウンロードが可能です。CLIを使った具体例としては、以下のようにコマンドを入力します。
```
curl -L "https://web2md.fybe.jp/fetch?url=https://supabase.com/docs/guides/auth/auth-anonymous" > supabase-anon.md
```
また、ブラウザ経由では、
1. Web2MDのサイトにアクセス
2. URLを入力
3. プレビュー確認
4. ダウンロード
という流れで手軽に利用できます。このように、ノーコード派の人々にも対応したユーザーフレンドリーなインターフェースが魅力です。
他のツールとの違い
Web2MDは、DeepWikiなど他のツールとは機能が異なります。DeepWikiはコードから新しいドキュメントを生成することを主目的としていますが、Web2MDは既存のWebページから本文を抽出します。変換方式についても、Web2MDはDOM解析による忠実な精製を行うため、精度が高いのが特徴です。
今後の計画
今後、FYBEはWeb2MDの機能拡張を計画しており、ワンクリック変換を可能にするブラウザ拡張や、LLMツールからのアクセスを容易にするMCP対応、一括バッチAPIなど、多くの便利な機能を導入予定です。さらに、企業に特化したカスタム抽出ルールの適用も視野に入れているとのことです。
まとめ
Web2MDは、開発者やリサーチャーにとっての強力なインフラを提供するツールです。増大するコンテキストの中で、必要な情報を効率的に抽出するための手段として、今後の発展が楽しみです。興味がある方は、是非「
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