全国調査から浮かび上がる現代人の睡眠実態
アイシン精機株式会社が展開する寝具ブランドASLEEPは、全国の10代から60代までの1,206名を対象に、「睡眠」に関する実態調査を実施しました。この調査からは、現代人の睡眠の質と量に様々な課題が浮かび上がりました。
睡眠時間の実態
平日の睡眠時間についての結果が示すのは、約68%の人々が5時間から7時間の睡眠を取っているという事実です。特に「5時間から6時間」の層が最も多く、次いで「6時間から7時間」と続きました。これは一般に成人が必要とされる7時間から9時間の睡眠には大きく不足している状態であり、実に18.5%は5時間未満の睡眠を記録しています。このことは、現代社会における忙しさやストレスが、睡眠時間を著しく損なっていることを示唆しています。
休日の寝だめ傾向
一方、休日になると状況は変わります。多くの人が「7時間以上から8時間未満」眠る傾向が見られ、この層は休日の睡眠時間では圧倒的に多いことが確認されました。さらに、休日に睡眠時間が8時間以上となる人は20.1%に達し、平日からはほぼ10倍の増加を見せています。この「寝だめ」現象は、平日での睡眠不足を補おうとする現代人の心理が働いていることに起因していると考えられます。
睡眠不足と肥満の関係
さらなる調査結果では、睡眠時間の短さが肥満に結びつく可能性も示されています。特に、睡眠時間が4時間未満の人々では、肥満を自覚している割合が29.2%にも上り、これは4時間以上の人たちの10.3%と比較して約2.8倍という高い数値です。このデータは、睡眠が体重管理に与える影響の重要性を示しています。医学博士の遠藤拓郎氏も言及するように、睡眠不足は食欲を抑えるホルモンの働きを低下させるため、肥満や関連疾患が蔓延する原因となります。
理想と現実のギャップ
また、調査結果の中で、約80%の人が「起きたい時間よりも前に目が覚めてしまう」と答え、理想の睡眠ライフとの間には大きなギャップが存在することも明らかになりました。実際、「起きたい時刻よりも前に目が覚めることはない」と答えたのはわずか21.9%にとどまりました。
この事実は、現代人が抱える困難な点を浮き彫りにしています。悪循環に陥りやすい状況のなかで、心身のリフレッシュを果たすためには、睡眠の質を向上させる必要があります。 早稲田大学の内田直教授は、早起きが習慣化している人に対して、運動やストレッチ、リラクゼーション法を取り入れることを提案しています。こうした工夫が、より質の良い睡眠をもたらすかもしれません。
調査の意義と今後の展望
この調査から得られた知見は、ただの数字以上の意味を持ちます。それぞれの人が抱える睡眠の課題を認識し、改善していくことで、より健康的な生活へとつながる可能性があります。ASLEEPは、質の高い眠りの提供を目指し、これからも引き続き研究を重ねていくことでしょう。
参考情報
調査の詳細や結果は、特別サイトでも公開されています。