「看護師外来〜こころのサポート〜」の導入について
不妊治療や体外受精に特化した「よしひろウィメンズクリニック」では、患者の心理的なサポートを強化するために、2025年5月より「看護師外来〜こころのサポート〜」を始めます。この取り組みは、一般的に体外受精を受ける患者が抱える精神的な問題に光を当て、より良い治療環境を提供することを目的としています。
背景:不妊治療に伴う心理的負担
近年、不妊治療の費用が一部保険適用となり、多くの人が治療を受けやすくなりましたが、精神的な負担も増しているとの調査結果が報告されています。国立成育医療研究センターの調査によると、体外受精を受ける女性の54%は軽度以上の抑うつ症状を抱えていることが明らかになっています。「治療の出口が見えない」「孤独感や不安に押しつぶされそう」といった声が多く寄せられる中、看護師による心理的サポートが必要とされています。
看護師外来の具体的な取り組み
「看護師外来〜こころのサポート〜」では、専門の看護師が患者の心の負担を軽減するために、以下のような支援を行います。
- - 不妊治療中の悩みや不安を聞くヒアリング
- - 日常生活や夫婦関係についての相談
- - 医師との連携による情報提供や整理
- - 必要に応じたカウンセラーへの紹介
患者が安心して心の内を話せる場所を確保するために、定期的なフォローアップを来年から開始する予定です。これは、患者の「見えない痛み」を理解し、寄り添うための重要なステップと言えます。
患者の声とニーズ
2024年に行われた座談会では、治療中の患者16名が参加し、多くの人が「孤独感」や「語れないつらさ」を訴えました。特に、約60%が「安心して話せるコミュニティ」の必要性を求め、35%が治療中のカウンセラーへの期待を寄せていました。患者たちは、話せる相手がいない事による孤立が、治療意欲や精神的安定に悪影響を及ぼしていることを実感しているようです。
セラピストによる定期イベント
さらに、看護師の井上かおりが主導する「ハーブボールワークショップ」も行われており、参加者から高評価を得ています。このワークショップは、香りと温熱療法を組み合わせたもので、心と身体のリラックスを促進します。参加者は、他の患者と交流しながら、孤独感を軽減できると好評です。
今後の展望
「看護師外来〜こころのサポート〜」が実施されることにより、患者は一人ひとりの心の状況に寄り添い、安心感を持って治療に取り組める環境が整います。よしひろウィメンズクリニックでは、心理的側面も重視した治療を今後も推進していく方針です。個別相談だけでなく、専門職との連携やグループ対話にも注力し、より充実したサポートを目指します。患者が自分自身のペースで治療に向き合い、選択を大切にできるようサポートしていくことが、今後の大きな目標です。
まとめ
「看護師外来〜こころのサポート〜」は、不妊治療における心のケアを強化するための重要な一歩です。専門知識を持つ看護師によるサポートを通じて、患者が孤独や不安を軽減し、より健全な治療の過程を歩むことが期待されています。今後もこの試みを通じて、患者の声に耳を傾け、進化し続けるクリニックでありたいと考えています。