科学で解明！1on1ミーティングがエンゲージメント向上に与える影響とは

背景：1on1ミーティングにおける企業の悩み

近年、企業において人材のエンゲージメント向上が非常に重要視されています。その中でも、「1on1ミーティング」は効果的な施策とされていますが、その運用には課題も存在します。「1on1疲れ」と呼ばれる現象が多くの企業で問題視されており、多くの企業が形だけの運用に留まっているのが現状です。

こうした中で、株式会社hootfolioと伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、明治大学商学部の加藤拓巳准教授の3者は、共同で研究を行い、因果AIを用いてエンゲージメント向上に振り向ける情報を明らかにしました。

研究の進行：因果AIによるエンゲージメント要因の分析

研究は4つのステップに分かれて進行されました。まずは、CTCのエンタープライズ事業グループにおいて、因果AI「causal analysis®」を活用し、エンゲージメントに影響を与える要因を洗い出しました。その結果、最も影響が大きいのは「1on1ミーティングの質」であることが明らかになりました。

次に、エンゲージメントを高めるための「満足度の高い1on1」の条件を詳しく分析しました。この分析によると、満足度を高める要因として以下の3つが挙げられました。

- マネージャーによる傾聴・共感
- 相談内容への具体的な対応
- 会話での仕事内容・キャリア開発・雑談の活用

一方でプライベートな話題が満足度を低下させることも確認されました。

スクリプト開発とABテストによる効果検証

分析の結果をもとに作成した「1on1トークスクリプト」は、営業現場で実績のあるトーク構造を活用し、マネージャーが効果的に対話できるように設計されました。このスクリプトを用いたマネージャーと通常のマネージャーで、1on1の満足度のABテストを実施したところ、スクリプトを活用したグループの満足度が統計的に有意に向上しました。これにより、実際のビジネス現場で因果AIがもたらす効果が明らかになったのです。