大阪市立東洋陶磁美術館特別展「CELADON」の魅力
2025年4月19日から、大阪市立東洋陶磁美術館で特別展「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」が開催されている。この展覧会では、青磁と呼ばれる美しい陶器の数々が紹介されており、その魅力を体感することができる。また、同展に関連して刊行された新たな書籍『CELADON―東アジアの青磁のきらめき』が、2025年5月30日に発売予定だ。
青磁の入門書
本書は青磁の鑑賞を楽しむための入門書として構成されており、青磁ファンだけでなく初心者にもその魅力をわかりやすく伝えることを目指している。この魅力的な書籍は、大判ビジュアルを使用し、作品の詳細を存分に楽しむことができる仕上がりになっている。監修は大阪市立東洋陶磁美術館が行っており、写真は著名な写真家・六田知弘が担当している。美術図書出版を手掛ける求龍堂からの刊行で、この分野に特化した内容が注目される。
国宝と重要文化財の収録
特別展では、国宝や重要文化財として知られる作品が多数展示され、観覧者は貴重な体験ができる。特に、国宝である《飛青磁 花生》は、江戸時代の豪商・鴻池家に伝わった名品として知られ、その魅力を本書でも詳しく紹介している。この他にも、重要文化財の《青磁刻花 牡丹唐草文 瓶》や《青磁 鳳凰耳花生》など、計6点のスター作品が収められており、訪れた人々を魅了する。
大判サイズの図版で魅せる青磁
本書の魅力は、その大判サイズの図版にある。A4判を最大限に横に広げた大型本となっており、選ばれた52点の青磁作品の釉色や技法を詳しく堪能できる。特に同じ作品も異なる視点から見ることによって新しい発見が得られるため、観覧者を楽しませている。また、展示物では確認できない高台の図版も含まれており、より深く作品理解を進める資料となっている。
汝窯青磁の最高峰
青磁の中でも特に興味を引くのが、北宋時代の汝窯で作られた青磁の品々だ。汝窯の青磁はその格調高い美しさから、世界中の愛好家を魅了し続けている。本書には、日本に現存する数少ない汝窯青磁の一つ《青磁 水仙盆》が紹介されており、釉色の美しさとともに、その優雅な曲線にも惹きつけられるだろう。
ミニマリズムとユニークな表現
青磁の作品は多種多様だが、本書ではシンプルでありながらもその時代を超えて人々を引きつけるミニマリズムの作品も紹介されている。《青磁 洗》はその一例であり、当時の技術の限界を超えたデザイン性と美しさを持っている。さらに、見た目にユニークな作品として、一見筍のかたちをした酒器なども登場し、思わず笑顔がこぼれるような作品が多く存在する。
驚愕の技法
青磁の作品には、様々な技法が駆使されていることが本書の巻末でも詳細に紹介されている。「青磁を視る、知る」セクションでは、青磁の色合いや装飾についての詳しい解説が行われ、観覧者は技術の奥深さに驚くことでしょう。
参加型プログラムと記念講演
特別展に関連して、様々なイベントも用意されている。例えば、記念講演会や初心者向けの講座が設定されており、これらは美術に興味がある方々には嬉しい機会。また、入館料を支払えば手軽に参加でき、これからの青磁の魅力をより深めるサポートも行われている。
美しい青磁を堪能する体験
青磁の美は、書籍だけでなく実際に美術館で触れ合うことで、より深く理解できる。特別展を訪れ、実物の青磁に触れることで、その不思議な美しさを実感することができるだろう。自然光によって引き出された青磁の奥行きある美しさを、ぜひ体感してみてほしい。美術館での独自の体験が、ここでの言葉では計り知れないほどの感動をもたらしてくれることは間違いない。ぜひ、皆さんも足を運んでみてください。