男女で異なる低用量ピルの理解度とその実態に迫る
一般社団法人賢寿医療が運営するON-CLINICは、2025年に男女200名を対象にした「低用量ピル」に関する意識調査を行いました。この調査では、低用量ピルに対する認識、使用目的、副作用への理解。そして男女間での捉え方の違いが明らかになりました。
調査の背景
今回の調査は、低用量ピルにまつわる男女の認識の差異を明らかにし、「避妊薬」としての誤解や根強いジェンダーギャップの存在を可視化することを目的としています。調査はインターネットを介して実施され、有効回答数は200人です。
調査結果の概要
男性の認識
男性に低用量ピルの印象について尋ねたところ、最も多かった回答は「避妊のため」というものでした。「女性が妊娠を防ぐための薬」や「コンドームの代わり」など、避妊専用薬という認識が色濃く見えました。この結果は、低用量ピルを避妊以外の目的で使用することが少ないという男性の理解の限界を示しています。
さらに、一部の回答者からは「生理痛の軽減」や「PMSの緩和」が挙げられましたが、「アフターピルとの混同」にも触れている人が多く、本来の目的や効果を正しく理解していない様子が浮き彫りになりました。
女性の認識
対照的に女性の回答は、「生理痛の軽減」、「PMS緩和」、「健やかな月経周期の維持」など、自己管理の一環としての認識が主流でした。ピルを自身の健康維持に役立てているとの意見が多く、中には「生理日を調整できて助かる」「肌の調子が良くなる」といった効果を実感している声もありました。
この対照的な認識の背景には、女性がピルを服用することで得られる健康面での利点をしっかりと理解している現実があると言えるでしょう。
副作用に関する知識
副作用に関する認識も男女で大きく異なりました。男性の約80%が「副作用がある」と感じており、「吐き気や頭痛が起きそう」といった漠然とした不安を抱えていました。比較的彼らは「低用量だから大丈夫」という認識を持つ一方で、副作用への具体的な理解には乏しいことが示されています。
一方、女性は「血栓症」や「吐き気」、「頭痛」といった具体的なリスクを理解し、医師と相談しながら自分に合ったピルを選んでいる姿が見えます。「合えば楽になるが、体に合わないと本当に辛い」といった意見も多く、具体的に自らの健康を管理している姿が浮かび上がりました。
誤解と偏見
女性の中には、「ピルを飲んでいる」と言うと「避妊目的」と思われることが心配で、説明を躊躇する声が多く聞かれました。このため、体調を整えるために使っているにもかかわらず、正しい理解がされていないことが大きな課題であると指摘されています。
男性は、低用量ピルに対して「怖い薬」という認識を持ちながらも、その内容について具体的な知識を持っていないことが示されています。これは、正しい情報を持たないまま偏見が生まれている一因と考えられます。
まとめ
今回の調査結果から、男女で低用量ピルに対する理解が大きく異なることが明らかになりました。男性は避妊薬としての見方が強く、女性は健康管理の一手段として利用しています。この認識のギャップは、ピルに関する会話を困難にし、偏見を助長する要因の一つです。正しい知識を男女共に共有し、理解を深めることで、女性の健康と安心が確保される大きな第一歩となるでしょう。
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