アークフラッシュ防護作業服の新たな時代
近年、電気作業の安全性がクローズアップされる中で、特にアークフラッシュのリスクが注目されています。この現象は、工具の落下や配線ミスから引き起こされる短絡により、高温のプラズマが発生するというもので、その温度は5,000℃にも達することがあると言われています。
アークフラッシュによる危険を避けるためには、専用の防護服が必要です。しかし、従来のアークフラッシュ防護服は重く、動きにくいという課題がありました。そこで、ミドリ安全株式会社と日本ゴア合同会社は、軽量かつ快適に着用できる「ARCTECT 2 VERDEXCEL」を共同開発することに至りました。
開発背景と課題
日本では、クリーンエネルギーの導入が進む一方、電気に関する事故が増加しています。特にアークフラッシュについて日本国内では安全規格が整備されておらず、その危険性への認知が薄いのが現状です。このため、作業者が適切に防護服を着用することが難しい状況が続いています。
従来のアークフラッシュ防護服は、重くて動きづらいため、現場での効果的な使用が難しかったのです。特に、狭い作業環境での高い可動性が求められるなか、快適性や火傷防止機能を兼ね備えた新たな作業服の開発が急務となっていました。
「ARCTECT 2 VERDEXCEL」の特徴
「ARCTECT 2 VERDEXCEL」は、三菱ふそうとの共同開発に基づいており、軽量でありながら、強力な防護性能を備えています。特徴として、流れるようなデザインがあり、ストレッチ性のある生地を採用することで、作業現場でのあらゆる動きに応じられることが可能です。
さらに、「PYRAD®ファブリクス by GORE-TEX LABS®」を使用しているため、軽量性に加えて高い防護能力も実現しています。この素材は、高温や火炎に対しての優れた耐性を持ちつつ、息のしやすさや運動性も兼ね備えています。
適用規格と販売情報
「ARCTECT 2 VERDEXCEL」は、アークフラッシュ防護に関する国際規格であるIEC61482-1-2に基づき、最高の防護クラスであるAPC(Arc Protective Class)2に適合しています。この他にも、熱・火炎、溶接作業に関する基準を満たしており、様々なリスクから作業者を保護します。
2026年4月に全国のミドリ安全直営店での発売を予定しており、より多くの作業者が安全に作業できる環境の整備が期待されています。これにより、アークフラッシュのリスクを軽減し、作業現場の安全性を高めることができます。
結論
今後、電力、発電所、鉄道など幅広い分野での需要が見込まれる「ARCTECT 2 VERDEXCEL」。新しい技術を取り入れたこの防護作業服は、業界における安全のスタンダードを変える可能性を秘めています。安全性と快適さを兼ね備えた作業服の誕生により、多くの作業者の安心が確保されることが期待されます。