ダイナミックマッププラットフォームの2027年度第1四半期決算
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社が、2027年度第1四半期(2023年4月〜6月)の決算を発表しました。会社の代表取締役社長である吉村修一氏が語った内容からは、法人ライセンス案件が増えたことを背景に、ライセンス型売上が前年同期比で増加したことがうかがえます。しかし、プロジェクト型の売上は北米市場における前年の反動により、前年同期を下回ってしまいました。
売上高の詳細
同社の連結売上高は11億47百万円で前年同期比21.3%減という結果となりました。この背景には、北米市場での新規整備案件の完了により、主にオートモーティブ領域のプロジェクト型売上が減少したことが影響しています。しかし、法人ライセンス案件の拡大により、ライセンス型売上高は6億45百万円となり、前年同期比で10.0%増加しています。
EBITDAの状況
調整後EBITDAは6億67百万円のマイナスとなり、前年同期は24百万円のプラスでした。前年同期には案件の前倒し効果があったこと、また今四半期にはプロジェクト型売上の減少が影響を及ぼしましたが、調整後EBITDAのマイナス幅は予定された範囲内でした。
AI用途の法人ライセンス
海外の大手半導体メーカーとの新たな契約も明らかになりました。昨年提供した北米データの利用実績を基に、欧州・韓国・日本におけるデータの追加提供が決まりました。これは、AIを活用した自動運転やADAS開発における同社データの重要性を示すものです。
フィジカルAIに向けたデータ事業
フィジカルAIに向けたデータ事業も進展しています。同社が保有する高精度な3次元データを活用したAIネイティブデータセットの提供が開始され、サンプルデータセットは約4000件のダウンロードを記録しました。さらに、NVIDIAとの協力やMathWorks RoadRunnerとの組み合わせにより、自動運転開発に必要な学習・検証データの生成も進めています。
tokyo流通センター(TRC)においては、自動運転・フィジカルAIの実証実験向けの高精度3次元データの提供も開始されています。これにより、実際に技術を試す場が整っています。
インフラ管理と不動産分野の進展
同社の3Dデータは自動車以外の分野でも利用されています。具体的には、北米の交通機関向けに提供されている橋梁・トンネル管理ソリューションや、不動産開発において3Dmapspocket®が採用されている事例が報告されています。また、被災地域への情報提供として、3Dmapspocket®の機能が一部無償公開されているなど、社会貢献にも力を入れています。
今後の見通し
2027年度通期業績予想については、変更がありません。売上高の見込は70億円、ライセンス型売上は30億円、調整後EBITDAは0.5億円の予想です。同社では、AI用途に関する法人ライセンスの成長、フィジカルAI市場の拡大を背景に、ライセンス型売上の継続的な成長を目指しています。また、高精度3次元データを基にしたプラットフォーム企業としての成長も期待されています。
企業情報
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社は、日本政府の支援の下、国内の自動車メーカー10社が出資して設立されました。企業のビジョンは「Modeling the Earth」、つまり地球のデジタル化です。従来の事業分野に配慮しつつも、高精度な3次元データをもとに多様な産業においてイノベーションを共創しようとしています。会社の本社は東京都渋谷区にあり、フィジカルAI時代の成長に向けた取り組みがさらに期待されます。