新たなモビリティの形「カタレン」
2025年1月27日から2月16日まで、広島-福山間で片道レンタカーサービス「カタレン」の実証実験が行われます。このプロジェクトは、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)やPathfinder株式会社が共同で取り組むもので、観光地の訪問機会を広げ、地域の活性化を図ることを目的としています。
「カタレン」とは、特定の発着地点を設定した片道専用のレンタカーサービスであり、通常のレンタカーでは発生する乗り捨て料金が不要。現在、東京、名古屋、大阪などの主要都市で利用可能ですが、今回の実証実験では、広島と福山の間に特化しています。このイニシアチブにより、訪問することが難しかった観光地へのアプローチが容易になると期待されています。
実証実験の具体的な内容
実証実験のエリアは、JR広島駅とJR福山駅の間で、景観の美しい海沿いエリアや歴史豊かな山側エリアが含まれています。パートナー企業には、JR西日本レンタカー&リース株式会社も加わっており、地域の観光資源を活用した新たなモビリティ提供が進められています。
実証期間
- - 期間:2025年1月27日(月)~2025年2月16日(日)
- - エリア:JR広島駅~JR福山駅間、呉やしまなみ海道、そして西条や三好などの自然や歴史を巡る地域
事業共創プログラム「ベルナル」
この実証実験は、「ベルナル」と呼ばれる事業共創プログラムの一環です。このプログラムはJR西日本グループの特性を活かし、スタートアップ企業と共に新しい価値を創出することを目指しています。プログラムの参加企業は、JR西日本の資産や技術を使い、10ヶ月間の実証・検証を経て、事業化の可否を判断されます。この取り組みは、JR西日本が掲げる「長期ビジョン2032」に基づき行われています。
Pathfinder株式会社について
Pathfinder株式会社は、2020年に設立されたモビリティサービスの研究開発を行う企業です。社名は火星探査計画Mars Pathfinderに由来しており、革新的な取り組みを目指しています。彼らは「カタレン」のほかにも、さまざまなMaaS関連のサービスを開発し、移動のハードルを下げることに注力しています。また、コーポレートベンチャーキャピタルからの出資も視野に入れ、新しいサービスの拡充を図っているようです。
今後の期待
地域活性化に向けたこの実証実験は、多くの観光客を呼び込むだけでなく、地元経済の活性化にもつながると考えられています。また、MaaS社会の実現に向けた重要な一歩としても位置づけられています。現在も進化を続ける「カタレン」が、交通の選択肢を広げ、観光の新しいスタイルを提供することが期待されています。