サイバートラスト株式会社が開発した「iTrust本人確認サービス」の新機能、mdoc取得検証機能が株式会社Liquidに導入されることが発表されました。この新たなシステムは、スマートフォンを通じて運転免許証やマイナンバーカードの情報を安全に管理し、本人確認を行うというもので、2025年9月30日からサービスが提供されます。
mdocとは、国際標準規格ISO/IEC18013-5に基づいたデジタル身分証の技術で、従来の物理カードを必要とせず、スマートフォンのみで本人確認や属性証明を行える仕組みです。この技術を採用することで、Liquidは「LIQUID eKYC」と呼ばれるオンライン本人確認サービスにおいて、利用者がマイナンバーカードを使った簡便で迅速な本人確認を実現します。
具体的には、mdoc検証サービスAPIを通じて、取得した暗号化データの復号や署名の検証が可能になり、サービス事業者はウォレット機能に格納された情報を効率良く活用することができます。これにより、物理的な身份证明書を使わずとも、各種民間サービスでの本人確認がスムーズに行えるようになります。
背景と今後の展望
最近では、携帯電話を悪用した詐欺が増加し、総務省は携帯法の改正を行い、2026年4月からICチップを利用した本人確認が必須になる予定です。この改正を先取りする形で、2025年6月24日にはカード代替電磁的記録を用いた本人確認が法的に認められるようになります。この新制度に対応するため、LiquidはiOS向けにmdocを用いた本人確認を導入し、2026年秋にはAndroidにも対応予定とのことです。
サイバートラストとLiquidは、2021年から協力関係にあり、今回の導入により両社の共同成果が期待されます。スマートフォンの利用者は、マイナンバーカードや暗証番号を使用せず、本人確認をスピーディかつ安全に実施できるようになります。また、オンラインでの口座開設など、さまざまなシーンにおいて迅速で安全な本人確認を実現することで、利用者の利便性を高めるでしょう。
サイバートラストの役割
サイバートラストは、公的個人認証やeKYCを駆使し、利用者とサービス事業者の双方にとって便利で信頼性の高い本人確認の実現を目指しています。これにより、デジタントラストの基盤を整備し、安全安心なサービスを構築していくことが期待されています。
LIQUID eKYCの特長
この新しいオンライン本人確認サービスは、運転免許証やマイナンバーカードの撮影、ICチップの読み取り、自撮りとの照合による方式を採用しています。また、AI技術や生体認証技術を活用することで、スムーズな確認プロセスを実現し、累計で1.5億件以上の本人確認を行ってきた実績を有しています。特に、学割などの年齢確認にも対応可能な点が評価されています。
サイバートラストは、これらの取り組みを通じて、信頼性の高いデジタル社会の実現に貢献していく意向を示しています。今後の進展にも注目が集まります。