生活困窮者支援と食品ロス削減に挑むNPO法人の活動報告
日本の生活困窮世帯に関する調査が進む中、特に注目すべきはその多くが単身世帯やひとり親家庭であるという現実です。生活困窮世帯の約60%が単身世帯であり、22.8%はひとり親家庭というデータは、食料支援がいかに重要であるかを物語っています。さらに、23.6%が障がいを抱えたり介護を必要とする世帯であることも見逃せません。
こうした背景の中、日本もったいない食品センターというNPO法人が活動しています。この団体は食品ロスの削減と生活困窮者への支援を目的とし、その原資を確保すべく、「食品ロス削減ショップecoeat」を各地に展開するほか、ウェブサイトを通じて希望者に食料品を無償で提供しています。約7年にわたり活動してきた同団体は、2024年3月から6ヵ月間の支援申請者数を集計し、生活困窮者に対する食料支援の実態を明らかにしました。
食料支援の実態
このレポートでは、2024年3月1日から2024年8月31日までの間に、生活困窮を理由に食料品支援を申請した1812件のデータを分析しました。まず、地域別に見ると、主な活動拠点である大阪では多くの支援要請がありましたが、関東地域からもかなりの数の申請があったことがわかります。これは関東における食料品の支援需要が高まっていることを示しています。
世帯人数と申請の特性
支援を申請した世帯の60%は単身世帯であり、特に注目すべきは四人以上の世帯数です。日本の世帯統計によると、五人以上の世帯は通常40%を占めますが、食料支援を申請した世帯ではその数値が87%にのぼりました。これは、世帯人数の増加が生活困窮に直結する可能性を示しています。
また、二人以上世帯の中で、57.3%がひとり親家庭であることが明らかになりました。このように高い割合が見られることから、ひとり親家庭が直面する生活困難が一層うかがえます。さらに、身体的または精神的な障がいを抱える方や、介護を必要とする家族を持つ世帯も23.6%に達しており、彼らが就業において困難を抱えている実情も浮かび上がります。
申請者の年齢層と収入状況
申請者の年齢分布について見てみると、全体の60%を占める単身世帯の中でも、特に18歳から30歳、そして56歳以上の層が多いことがわかりました。31歳から55歳の大人の中では、ひとり親家庭からの申請が優勢です。
収入についても触れなければなりません。1812件の申請のうち、32.4%は収入が無いと答えており、事故や病気、精神的な問題が影響していることが多く見受けられました。一方、収入があると申告したのは67.6%で、平均収入は約14万円。単身世帯の平均収入は116,538円であり、ひとり親家庭は166,750円となっています。
支出の状況
生活に必要な支出に関しても調査が行われ、単身世帯ですが平均94,300円に対し、ひとり親家庭では118,057円、障がい者や介護者世帯では106,810円という結果が出ています。特に、食費や住居費が全国平均を上回ることが確認され、生活の厳しさを物語っています。
生活再建へ向けた取り組み
このような実情を踏まえ、NPO法人としては「地域の食品ロスゼロ」と「地域の困窮ゼロ」という目標を掲げ、生活に困難を抱える人々への支援を進めています。しかし、単なる一時的な食料品支援にとどまらず、ライフスタイルの改善を図る取り組みが必要との認識も強いです。地方自治体や企業との連携を通じて、より持続可能な支援ができるよう、共に歩む仲間を募集しています。
支援の申請をする際には、生活の立て直しに向け様々な視点での支援を考慮することが必要です。今後もNPO法人の活動が、より多くの人々の生活改善につながることを期待したいと思います。