ブロックチェーン技術で進化するケミカルリサイクル
株式会社chaintopeは2024年9月9日より、三菱ケミカル株式会社と共同でケミカルリサイクル向けのトレーサビリティシステムの実証試験を行いました。この試験では、複数の企業にまたがるサプライチェーンにおいて、リサイクル原料となる廃プラスチックの情報を改ざん不可能な形で適切に管理・共有する方法が確認されました。
背景と目的
この実証試験は、三菱ケミカルが参加している内閣府主導の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第三期の一環として実施されました。具体的には、サーキュラーエコノミーシステムの構築や、自動車部品用途プラスチック再生材のリサイクルシステムの高品質な供給を目指しています。
このプロジェクトは、環境に配慮した製品作りを行うために重要であり、今後は家電など他の分野への展開も視野に入れています。
ブロックチェーン技術の導入
本実証試験の中心には、chaintopeが開発したパブリックブロックチェーン『Tapyrus』があります。これを用いることで、マスバランス方式を採用したケミカルリサイクルのサプライチェーンに対し、使用する廃プラスチックの由来(ポストインダストリー、ポストコンシューマーなど)を透明かつ信頼性高く管理できることが証明されました。
環境への配慮と未来展望
近年、リサイクル原料の来歴や品質を証明するための透明化ニーズが高まっています。本試験により、ブロックチェーンを用いた情報管理が可能となり、今後のケミカルリサイクルの事業化に向けた大きな成果と捉えることができます。
chaintopeは今後も、DPP(デジタルプロダクトパスポート)やトレーサビリティの向上に向けた取り組みを加速し、循環型経済に貢献していく方針です。
まとめ
ケミカルリサイクルは、私たちの未来を守るためにますます重要です。今回の実証試験を通じて、サプライチェーン全体での透明性確保が実現可能であることが示され、企業と社会が持続可能な未来に向かって前進する足がかりとなりました。chaintopeは、ブロックチェーン技術を活用し、社会課題の解決に向けたイニシアティブを今後も推進していきます。