新しい知的エンターテインメント『笑わない数学2』
2024年11月21日(木)、株式会社KADOKAWAから『笑わない数学2』が発売されます。前作が即重版を果たした人気作の続編として、多くの数学ファンから期待が寄せられています。本書は、NHKの知的エンターテインメント番組「笑わない数学」を基に制作されており、番組で紹介されなかった内容も多数含まれています。番組を観ていなくても楽しめる一冊になっています。
数学者をも苦しめる難問
本書では、天才数学者たちが挑んできた難解な数学の問題を5つのテーマに分けて紹介しています。以下の内容が収録されています。
1.
超越数: 数学者が目指す理想の数の世界への探求。
2.
コラッツ予想: 子供でも理解できるシンプルながらも未解決の問題。
3.
暗号理論: かけ算が隠す秘密を解き明かす。
4.
ポアンカレ予想: 地球にいながら宇宙の形に迫るアプローチ。
5.
BSD予想: 数多の天才たちが取り組んだ壮大なテーマ。
これらのテーマは、小中学生でもわかる内容から大学の数学科でしか学べない高度な内容まで幅広く取り扱っており、様々な層の読者に楽しんでもらえるよう工夫されています。
ミレニアム懸賞問題と素数の謎
特に注目すべきは、番組監修者である東洋大学の小山信也教授が執筆した、
「特集素数の謎と深リーマン予想」です。ここでは、ミレニアム懸賞問題とされる「リーマン予想」と「BSD予想」が意外にもつながりがあることが紹介されています。このような視点は、数学に対する興味をさらに深めてくれることでしょう。
未解決問題「コラッツ予想」
本書のテーマの一つである「コラッツ予想」は、簡単な計算方法にも関わらず、80年以上解決されていない超難問です。自然数から開始し、数の操作を繰り返すとやがて「1」になるというこの予想は、数学者たちに多くの挑戦を与えてきました。その内容は、小学生でも理解できるものなのに、専門家たちはこの問題に心を奪われ続けているのです。
名付け親のコラッツは、1950年の数学の学会でこの予想をユーモアを交えて話していたという逸話もあり、予想名自体にも歴史的な背景があります。今では、数多くの著名な数学者たちが挑戦を試みるも、成果は上がっておらず、時には「敗北宣言」を出すこともある、非常に危険な難問として知られています。
このように『笑わない数学2』は、数学の世界に奥行きと面白さを持ち込み、読者が新たな知識を得られる機会を提供してくれます。番組の理解を深めるための話題も大いに含まれていますので、ファンはもちろん、数学に興味を持つ全ての方にぜひ手に取っていただきたい一冊です。
書誌詳細
- - 書名: 笑わない数学2
- - 編: NHK「笑わない数学」制作班
- - 定価: 1,980円(本体1,800円+税)
- - ISBN: 978-4-04-606901-6
- - 判型: A5判
- - ページ数: 208ページ
- - 発売日: 2024年11月21日(木)
- - 発行: 株式会社KADOKAWA
これからの数学のイベントや、関連書籍も楽しみですね!