特許権と株価の関係
2023-06-12 10:55:31

特許権と株価指標の関係を明らかにした最新研究の成果

近年、企業の成長とその成長を支える先行投資の重要性が高まっています。特に、特許権という知的財産が企業価値に与える影響についての研究が注目を集めています。渡辺浩司氏による最新の研究は、一般消費者向けの食品事業を展開する日経平均構成上場企業を対象に、特許権の数と株価の割安感との間に有意な関係があることを明らかにしました。

この研究では、特許権の件数が多い企業は、営業キャッシュフローに対する株価が割安であることが示されています。営業キャッシュフローとは、企業が営業活動から得る純粋な現金フローを示すもので、営業利益とは異なり、現金の出入りが直接的に反映される指標です。特許権の数が多い企業ほど、将来の利益成長性が高い傾向にあることが並行して証明されており、このことが営業キャッシュフローの増加につながる可能性が示唆されています。

また、渡辺氏はこの特許権の数が営業キャッシュフローに対する株価の割安感を決算発表後には解消することも確認しています。これは、企業が先行投資の成果を公表することで、株価が上昇するトレンドを示しています。すなわち、企業が多くの特許権を保持することで、持続的な利益成長の道が開かれるのです。

この研究は、「知財立国」を掲げる日本政府にとっても非常に重要な意義を持っています。特に、平成バブル崩壊以降の経済停滞の中で、企業の成長と先行投資の重要性が再認識されています。米国市場では、GAFAMなどの企業が多額の先行投資を行い、その結果として高い成長性を維持していることが影響を与えています。日本もこれに倣い、知的財産権が企業の成長性に及ぼす影響を理解することで、資金調達の新たな指標を提供する可能性があります。

調査は2015年度から2018年度までの企業データを対象に行われ、日経平均構成上場企業の中から一般消費者向け食品事業に特化した企業が選ばれました。特許権数はJ-PlatPatを基に計算され、決算データは各年的な有価証券報告書から取得されました。

渡辺氏は、特許権を企業の成長指数とし、それにより新たな資金調達のルートが開かれることを期待しています。特に、中小企業やスタートアップ企業においては、知的財産権が金融機関からの信用を高め、経済的価値を上げる可能性があると言及しています。

これらの研究成果は、知的財産権の重要性を企業経営に生かし、未来の経済成長に寄与する道筋を示すものとなるでしょう。今後の研究が待たれます。

会社情報

会社名
株式会社サンビジネス
住所
東京都港区芝一丁目10番11号JREコスモ金杉橋ビル
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