メゾン マルジェラ初の住宅プロジェクトがドバイに誕生
ファッションとアートの融合を目指すメゾン マルジェラが、初めての住宅プロジェクト "メゾン マルジェラレジデンス"を発表しました。このプロジェクトは、ブランドの建築とデザインに対する独自のビジョンを具体化したもので、世界でも特別なドバイのパーム・ジュメイラに位置しています。
このレジデンスは、全25邸の特注ユニットから成るもので、メゾン マルジェラが持つデザイン理念──デコンストラクションやトロンプルイユ、トランスフォーメーションを基に、これまでのラグジュアリーな居住空間を再定義します。Alta Real Estate Developmentとの協力のもとで開発されたこのプロジェクトは、素材の探求と建築の卓越性が融合する特別なキャンバスとして設計されています。
始まりはメゾンのアイデンティティから
メゾン マルジェラは、インテリアや家具を自らのクリエイティブビジョンの重要な要素として長年位置づけてきました。彼らの初期の作品に見られる白く塗装された家具やオブジェは、日常的なアイテムをミニマルに表現する試みの一環でした。この思想は現在のリテール空間やプロジェクトにも反映され続けています。2000年代初頭のサローネ・デル・モービレへの出展や、著名なデザイナーとのコラボレーションを通じて、メゾンの空間デザインに対するアプローチはより一層深化しました。
象徴的な「グループ」アームチェアやボトルランプ、白いクッションなどは、マルジェラのデザイン言語を形成する要素となり、様々な作品や展示において重要な役割を果たしています。また、リル・オ・ズワゾーホテルスイートのリデザインやラ・メゾン・シャンゼリゼホテルの設計を通じて、彼らの建築的アプローチは強固なものとなり、そのアイデンティティが確立されました。この新たなレジデンスが加わることで、その思想はさらに進化を遂げています。
レジデンスのデザインと機能
メゾン マルジェラの遊び心は、レジデンスにも色濃く反映され続けます。クラシックな家具からインスパイアされたトラバーチンの素材や独自の「デコルティケ」技術、光学的なホワイトのディテールなどが、デザインに新たな視点をもたらしています。また、アメニティはブランドの哲学を具現化し、居住者に対し優雅で快適な空間を提供することを目的としています。具体的には、アートギャラリーやキュレーションされた図書館、フィットネススタジオ、インフィニティプール、ジム、スパ、さらにはマルジェラカフェが含まれています。
期待される将来の展開
このプロジェクトは、メゾン マルジェラのブランドのさらなる進展の一環として位置付けられています。ドバイのモール・オブ・ジ・エミレーツにオープンした新しいブティックとマルジェラカフェの開業に伴い、新たな展開が期待されています。メゾン マルジェラがファッション、建築、ライフスタイルを融合させる新たな空間を創造する姿は、今後も注目されることでしょう。
通りの彼方に位置するこのレジデンスは、新しい家の概念を提案するものであり、ファッションとアートのユニークな統合を実現します。OTBグループ会長のレンツォ・ロッソは、30年以上にわたるブランドのアイデンティティの重要性を強調し、今後も様々なプロジェクトを推進していくことへの期待を寄せています。Alta Real Estate Developmentのアブドラ・アル・タイヤー氏も、このプロジェクトが持つラグジュアリーなビジョンについて語り、ドバイの新たなランドマークとなることを楽しみにしています。
メゾン マルジェラの新しい住宅プロジェクトは、単なる住まいの提供を超え、ブランドの哲学やビジョンが存分に表現されるスペースとなっています。今後の展開に期待が寄せられます。