熊本の新たなリハビリ支援
熊本県熊本市にある「こども発達支援ステーション キャンバス」では、最新のデジタルリハビリツール「デジリハ」が導入されました。これは、株式会社デジリハが提供するもので、主に障害のある子どもたちに向けて、リハビリや療育を楽しみながら行える環境を整えることを目的としています。
デジリハの導入背景
これまで、重症心身障害を持つ子どもたちにとって、月に一度程度の頻度でしかリハビリセンターに通えないという難しさがありました。これは、リハビリを行うための専門職である理学療法士を確保することが困難であることや、障害の重度化や多様化が進むことによって、ひとりひとりに特化した支援が難しいという課題が起因しています。
デジリハは、これらの課題を克服するために開発されました。デジタルアートを取り入れたこのリハビリツールは、障害児者の可能性を最大限に引き出すことを目指しています。それにより、理学療法士や支援者そして家族が、「どこでも、いつでも、何度でも」リハビリに取り組むことが可能になります。
デジリハの特徴と利点
デジリハの最大の魅力は、その使用のしやすさです。専門知識がない人でも簡単に操作できるため、リハビリの現場での専門人材の不足を補うことができます。また、各利用者の状態に応じてカスタマイズができ、ゲーミフィケーションの要素を取り入れているため、毎日楽しみながらリハビリを行うことができます。
さらには、「デジリハACADEMY」という勉強会も用意されており、ここでは使用方法や具体的なアイデアを学ぶ場が提供されています。実際の利用者からのフィードバックを受けて、より理想的な支援方法を構築することが期待されます。
実際の導入事例
事業所を担当する平野氏は、デジリハ導入の目的として「子どもたちが主体的に遊ぶ機会を増やしたい」と語ります。言葉や動作に制約のある子どもたちにとって、自発的なコミュニケーションの場を設けることは急務です。デジリハを活用することで、ICTを通じた新たなアプローチが可能になり、その効果として子どもたちが積極的に参加できる機会を増やすことが期待されています。
新屋敷事業所を担当する中村氏も「デジリハの導入をずっと望んでいた」と述べ、様々な利用者のニーズに対応できるか不安があったものの、デジリハのスタッフによるサポートやアイデアを得ることで次第に使用方法を模索しているとのことです。
今後の展望
デジリハは今後もリハビリ支援の現場での活用を進め、エビデンスの創出に積極的に取り組む方針です。使用データを蓄積し、リハビリ評価につなげるシステムの開発も進めています。これにより、根拠に基づいた支援を実現する社会の構築を目指します。
このように、デジリハは熊本市のこども発達支援に新たな風を吹き込んでいます。リハビリテーションのあり方を再定義し、誰でもアクセスしやすい支援環境を整えることで、障害児者の新たな可能性を切り拓くことに寄与しています。