羽田圭介が描くミニマリストの迷宮『滅私』が登場！

芥川賞作家、羽田圭介の新たな挑戦

2024年7月29日、芥川賞を受賞した著者、羽田圭介の最新刊『滅私』が新潮文庫より刊行されます。定価572円（税込）で、夢中になれるストーリーが詰まった一冊です。この作品では、現代社会に暮らすミニマリストの心理を掘り下げ、物を捨てることによって身軽さを追求する男の物語が展開されます。

概要

主人公の冴津は、貰った物をすぐに手放し、家具や衣類も最小限に抑えるライターです。彼の信念はシンプルで、「愛着が湧く前に捨てる」ということ。そんな彼が描く“身軽生活”は、多くの人々に新しい視点を提供します。しかし、日々の生活は一見順調なように見えるものの、彼の前に現れたのはかつての自分を知る男。まずはいたずら心で過去の記憶を呼び起こし、冴津の世界は次第に崩れ落ちていくのです。

物語の深層

冴津の人生は、物を捨て去り、無駄を省くことで得られた表面的なものに過ぎないように思われます。しかし、彼は果たして本当に過去を断ち切ることができるのでしょうか。物を持たないことで得られる自由と、同時に遺棄された記憶や感情に苦しむ姿は、読者に深い考察を促します。羽田圭介は、この作品を通じて、物を持つことの意味や、過去との向き合い方を問いかけるのです。

著者について

羽田圭介は東京都に生まれ、17歳で文藝賞を受賞し小説家としてのキャリアをスタートさせました。彼の作品は、多くの人々に感銘を与え、幅広いジャンルを手掛ける著者です。2015年には「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を得るなど、その才能が高く評価されています。『滅私』も、彼ならではの才能が光る一冊になることでしょう。