明治が開発した新しいヨーグルトが肥満改善に貢献!受賞の秘密とは
株式会社明治が新たに開発したLactiplantibacillus plantarum OLL2712株を配合したヨーグルトが、令和6年度(第25回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰にて「農林水産技術会議会長賞」を獲得しました。この受賞は同社が独自に開発した乳酸菌が持つ、慢性炎症の抑制による肥満改善の機能が評価されたものです。
ヨーグルトの開発経緯
このヨーグルトは、慢性炎症の抑制によって肥満気味の人々の腹部脂肪を減らす効果が期待されています。明治は健康機能に力を入れ、近年、肥満や糖尿病に対しての有効性がますます注目されています。OLL2712株を使用した研究では、高BMI(25以上30未満)の成人を対象にした臨床試験が行われ、その中で糖と脂質の代謝改善が示されました。
研究では、被験者がOLL2712株配合のヨーグルトを12週間にわたって毎日摂取した結果、腹部脂肪の有意な減少が確認されました。特に、肥満度の高い群では8週間以降も顕著な効果が見られ、食生活において気軽に取り入れることができる製品として期待が高まっています。
肥満と慢性炎症の関係
肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病といった生活習慣病の根本原因は、実は慢性炎症が深く関係しています。加齢や不規則な生活習慣が慢性炎症を引き起こし、これがインスリン抵抗性を引き起こす原因となるのです。インスリンの働きが阻害されることで、糖質や脂質が正常に代謝されず、体脂肪が増加していくという悪循環が形成されてしまいます。
OLL2712株の特徴は、腸管免疫系に働きかけることによって、抗炎症性物質であるインターロイキン10(IL-10)の生成を促進し、慢性炎症を抑える働きがあることです。この作用によりインスリンの効果が改善され、糖質や脂質の代謝が正常化されるのです。
メタボリックドミノの改善が期待される
「メタボリックドミノ」は、生活習慣から肥満、高血圧、耐糖能障害、脂質異常症などが連鎖的に引き起こされる様子を表します。OLL2712株の摂取が、このメタボリックドミノの根本原因である慢性炎症を抑えることで、体脂肪を減少させ、さらにはさまざまな健康問題のリスクを低減する可能性があると期待されています。
実験結果からの教訓
最近の研究では、92名の健常成人を対象にした無作為二重盲検プラセボ対照試験が行われました。この実験では、OLL2712株配合のヨーグルトを112g、12週間にわたって試験を行い、その結果、参加者の腹部脂肪の有意な減少が確認されたのです。また、空腹時血糖値においても改善が見られました。このような結果は、OLL2712株が糖や脂質の代謝改善に寄与することを示唆しています。
未来へ向けて
明治は、この革新的なヨーグルトをより多くのお客様に届けることで、腸内の慢性炎症の抑制から肥満をはじめ、様々な健康課題の解決に尽力することを目指しています。今回の受賞は、意義のある研究成果が結実した証であり、この分野のさらなる発展が期待できる材料となるでしょう。
この新しいヨーグルトがどのように私たちの生活に役立つのか、今後の展開が非常に楽しみです。