2023年10月、株式会社アズパートナーズと医療法人啓仁会が新たな包括提携を結びました。この提携の背景には、日本の急速な高齢化があります。団塊世代が全員75歳以上となる2025年や、2040年には65歳以上が人口の約35%を占めるとの見込みがあり、医療と介護の連携がますます重要視されています。
医療法人啓仁会は埼玉県所沢市を拠点に、1958年の設立以来、「この街で、安心・生きがい・感動づくりを」という理念のもと、地域に密着した医療サービスを提供してきました。例えば、所沢ロイヤル病院など5つの病院と、30の介護関連施設を持ち、地域社会との連携を強化しています。
一方、株式会社アズパートナーズは2004年に設立され、シニア事業や不動産事業、そして介護DXサポート事業を展開。特に介護分野でのデジタルトランスフォーメーション(DX)に力を入れており、IoTやAIを活用した革新的なサービスを提供しています。アズハイムシリーズの介護付有料老人ホームでは、すでに訪問診療が導入されており、今後はさらなる展開が予定されています。
今回の提携では、以下のポイントに注目されます。
1. 訪問診療を中心とした切れ目のない支援体制
医療法人啓仁会は、訪問診療を平成15年度から行っており、今後その体制を拡大していく方針です。アズパートナーズが運営する「アズハイム」系列では、これまでに実施してきた訪問診療の体制をさらに強化し、利用者のニーズに応じた支援を行うことで、入院から在宅医療、さらには介護施設までの一貫したサービスを提供します。
2. 介護老人保健施設でのデジタル化支援
アズパートナーズは、令和6年度から全国的に介護DXサポート事業を実施。啓仁会の「いとうの杜」では導入が進んでおり、これにより夜間業務の大幅な削減など、職員の負担軽減が実現しています。今後、この取り組みを啓仁会内の他の施設にも広げる計画です。
3. 今後の展望
提携の一環として、啓仁会が進めるユニバーサルツーリズムをアズハイムで導入することや、特別なリハビリプログラムの提供を検討。また、地域住民向けの健康や介護に関するセミナーの開催も計画しています。将来的には、行政や教育機関などとの協力を視野に入れながら、より安心して暮らせる地域社会の実現を目指します。
この提携を通じて、医療と介護が連携することで、地域の人々が必要とするサービスがよりスムーズに提供されることが期待されます。高齢化社会が進む中で、民間企業が率先して取り組む医療・介護連携の重要性が増していることを示しています。今後の展開に目が離せません。