株式会社リビングハウス(大阪市)は、2025年に株式会社センプレデザイン(東京都目黒区)の全株式を取得し、同社を完全子会社化することを決定しました。この動きは、両社による「個性を尊重し合う協調型の成長戦略」のもと、家具やインテリア業界を活性化し、日本の暮らしの質向上を目指す重要なステップです。
業界背景
家具・インテリア業界では、大手チェーンの寡占が進み、特に中小企業は価格競争、事業承継、物流費の高騰など多くの課題に直面しています。このような状況下で、リビングハウスは「共に未来を創る仲間との連携」を重視し、協調型成長を目指しています。センプレのグループ化は、その第一弾として位置づけされています。
実は、両社は2024年8月に資本業務提携を結び、初のコラボ業態「/SEMPRE(スラッシュセンプレ)」をリビングハウス横浜ベイクォーター店にオープンしました。これにより、販促企画や社員の相互交流といった取り組みを進め、シナジー効果を最大限に活かす方針です。
会社のビジョン
リビングハウスは「日本を空間時間価値先進国へ」というビジョンを掲げ、空間づくりを通じて人々に価値を提供していくことを目指しています。このビジョンの実現に向けて、同社は人々が心豊かに暮らせる環境を整え、未知の体験を提供することを使命としています。
一方、センプレデザインは1996年に設立され、「暮らしとデザイン」をテーマにした多様な製品を提供してきました。同社は、独自のデザイン哲学に基づき、単なるインテリアではなく、生活者の心を満たす製品作りに努めています。両社は「家具の提供だけでなく暮らしを豊かにする」という強い共鳴をもって、この取り組みを展開することを決意しました。
未来への共創
リビングハウスは、センプレが築いてきたブランドの個性や日常生活に寄り添ったデザイン哲学を尊重し、両社の持つ資産や経営ノウハウを活かしていく考えです。センプレの強みを生かしつつ、リビングハウスの事業基盤や顧客接点を持ち寄ることで、より高い価値の提供を目指すと言います。
センプレの代表取締役会長、田村昌紀氏は、両社の共通のビジョンである「日本の暮らしを豊かにする」という理念に基づいて協業の重要性を説き、グループ化に至った経緯を語りました。また、リビングハウスの北村甲介社長は、センプレという唯一無二の存在に対する敬意を表し、協力によって新たな価値を創造する意義を強調しています。
今後の展望
今回の取り組みにより、リビングハウスは、経営や承継に課題を抱える優れた企業と連携を進めることを目指しています。業界全体を活性化し、日本の暮らしの質向上に貢献することで、両社が成長を遂げることを期待しています。
リビングハウスとセンプレデザインの未来の展開から目が離せません。両社の共同作業による新たな体験価値の創出が、我々の暮らしをどのように変えていくのか、今後の動向に注目です。