アセンテック株式会社の新たなセキュリティソリューション
アセンテック株式会社(本社:東京都千代田区)は、2023年8月26日に新しいSaaS専用クライアント『SaaS Secure Client』を発表しました。この製品は、情報資産を脅かすセキュリティリスクから守るために開発され、特に最近のランサムウェアや他のマルウェアによる深刻な問題に対応することを目的としています。
企業のIT環境は常に変化しており、最近では多くの企業がアプリケーションの利用をSaaS(Software as a Service)にシフトさせています。これに伴い、企業はアンチウイルスソフトウェアやシステム監視ツールなど、数多くのセキュリティ対策を講じなければならず、これを維持するために膨大なリソースを消費しています。しかし、これらの対策はコストを増加させ、時には大規模なシステム障害をもたらす原因になることもあります。実際、2023年7月にはEDRソフトウェアの不具合が原因で、グローバル企業で甚大なシステム障害が発生しました。
そこで、アセンテックの100%子会社である株式会社ブレイクアウトは、次世代のエンドポイントセキュリティを追求し、『SaaS Secure Client』を開発しました。このクライアントは、特にSaaSを利用する企業にとって、そのセキュリティシステムを簡素化し、コストを削減することを狙っています。
SaaS Secure Clientの特徴
『SaaS Secure Client』には、以下のようなユニークな特徴があります。
1.
マルウェア感染を完全に遮断
通常のセキュリティソフトを一切使用することなく、マルウェアからの感染を防ぐ構造になっています。
2.
セキュアブラウザを搭載
クロミウムベースでカスタマイズされたブラウザが企業で許可されていないSaaSへファイルをアップロードすることを防止します。この機能により、意図的なデータ漏洩を防ぎます。
3.
Microsoft Entra ID対応
多要素認証を経て、企業の管理するPCのみからSaaSへのシングルサインオン(SSO)が可能になります。これにより不正ログインを防ぎます。
4.
特殊USBデバイスを使用
通常のWindows PCに特殊USBデバイスを差し込むことで、システムを起動します。これにより内蔵ディスクへのアクセスが遮断されるため、データ漏洩のリスクが大幅に軽減されています。
5.
セキュアフォルダ機能
一時的にデータを保存するためのセキュアフォルダがあり、電源を切ると自動的に消去されます。
6.
デバイスの紛失対策
起動パスワードの設定が必要で、一定回数以上の誤入力でデバイスが無効化される仕組みになっています。これにより、万が一の紛失時でも情報漏洩を防ぎます。
導入効果と利用推奨者
『SaaS Secure Client』の導入によって、企業は業務委託先へのPC貸与をSSCに切り替えることにより、コストとセキュリティレベルを大きく改善することが可能です。特に、フルスペックPCのセキュリティ対策ソフトを不要にすることにより、ライセンスコストが大幅に削減される見込みです。
このソリューションは、特にSaaSを活用した業務を行っている企業にとって、在宅勤務や出張の際にフルスペックのPCを持ち歩く必要がないため、業務効率を高める手段として力を発揮します。テレワークを行うエンドユーザにも最適で、安全にSaaSを利用することができます。
料金と出荷開始日
『SaaS Secure Client』の年額利用料金は7,200円からで、300ライセンス以上からの導入が可能です。また、出荷開始は2024年9月9日を予定しています。導入を検討されている企業向けに、無料トライアルも提供されており、一ヶ月間無償で評価用検証機を貸し出してくれます。
まとめ
アセンテックの新製品『SaaS Secure Client』は、企業が抱えるセキュリティリスクに立ち向かう効果的な対策として位置付けられています。今後多くの企業がSaaSを活用する中で、セキュリティを低コストで維持するための重要なツールとなるでしょう。アセンテックは、引き続き製品開発に注力し、ワークスタイルの変革を支援していくとしています。