NVIDIAが描くAI時代の新たなインフラストラクチャの未来
2025年3月18日、カリフォルニア州サンノゼにて、NVIDIAは新たなAIインフラストラクチャ「NVIDIA AI Platform」を発表しました。このプラットフォームは、企業が高度なAI推論ワークロードを処理するために必要なカスタマイズ可能なリファレンスデザインとして登場しました。この新たなインフラは、ストレージプロバイダーがNVIDIAの先進的な計算能力やネットワーキング、ソフトウェアを活用し、AIクエリエージェントを備えたエンタープライズストレージを構築することを可能にします。
ストレージ業界の革新
NVIDIA AIデータプラットフォームを導入したストレージプロバイダーは、特別なAIクエリエージェントを利用して、ほぼリアルタイムでデータに基づく洞察を提供するインフラを整備することができます。このエージェントはNVIDIA AI Enterpriseソフトウェアを活用し、NVIDIA Llama Nemotronモデル用のNVIDIA NIM™マイクロサービスや、高度なAI機能を統合したNVIDIA AI-Q Blueprintを組み込むことにより、企業が求める複雑なクエリに迅速に対応できるよう設計されています。
特に注目したいのは、ストレージプロバイダーが自社のインフラを強化するために、NVIDIAのBlackwell GPU、BlueField® DPU、Spectrum-X™ネットワーキングなどの革新を活用している点です。これにより、企業はAI推論を効率的に行うエコシステムを整えることができ、その結果、データ処理のパフォーマンスを劇的に向上させることが期待されます。
エンタープライズストレージの未来
NVIDIA創業者兼CEOのジェンスン・フアン氏は、「データはAI時代における産業の原動力であり、NVIDIAは世界のストレージリーダーと共に企業がハイブリッドデータセンター全体にエージェント型AIを展開するために必要なインフラを構築している」と述べています。このビジョンに基づき、NVIDIA AI Data Platformは数百万の企業にアクセラレーテッドコンピューティングとAI機能を提供し、データ駆動型の意思決定を支援することを目指しています。
AI Data Platformは、企業が保持するデータへのアクセスを加速するためのエンジンを提供します。NVIDIA Blackwell GPUは、AIクエリエージェントからのデータへのアクセスを最大化し、BlueField DPUはストレージの性能を大幅に向上させ、電力消費を削減する役目を果たします。さらにSpectrum-Xは、AIストレージのトラフィックを従来のイーサネットと比べて最大48%速くします。
ストレージ業界の主要パートナー達
NVIDIAは、DDN、Dell Technologies、Hewlett Packard Enterprise、Hitachi Vantara、IBM、NetApp、Nutanix、Pure Storage、VAST Data、WEKAなどのストレージ業界のリーダーと密に連携し、カスタマイズされたAIデータプラットフォームを開発しています。これにより、企業はより強力なAI推論を行い、複雑なクエリに迅速に応答できるようになるでしょう。
各ストレージプロバイダーは、NVIDIA AIデータプラットフォームを自社製品に組み込むことで、ビジネスの効率化やコスト削減を実現しています。たとえば、DDNはInfinia AIプラットフォームにAIデータプラットフォーム機能を追加し、DellはPowerScaleおよびProject Lightningソリューションにこれを統合するなど進展が見られます。
未来の展望
NVIDIA-Certifiedのストレージプロバイダーは、今月中に新しいソリューションを提供開始する予定であり、これは業界における大きな変革を意味します。
エンタープライズストレージがAI時代に対応するための新たな一歩を踏み出し、データを活用したビジネスの革新が期待される中で、NVIDIAの取り組みは重要な役割を果たすでしょう。今後の動向が非常に楽しみです。興味のある方は、NVIDIA GTCの基調講演をチェックしてみてください。このカンファレンスは3月21日まで開催され、業界のリーダーたちの知見を直接見るチャンスです。