アートを通じてつながる─fuco:の個展が三重で開催

三重県いなべ市にて、アーティストfuco:（瀬戸口楓子）の個展「connect:」が開催されます。この展示会は、2022年9月16日から25日までの期間中に実施され、会場は桐林館の特別教室を中心に、筆談カフェ内に一部展示が行われます。特に、16日にはkinari marketとのコラボイベントも予定されており、アートと日常の融合を楽しむ場ともなっています。

展示のテーマ「connect:」

fuco:の展示タイトル「connect:（コネクト）」は、彼女自身が大切にしている「繋がり」というテーマに基づいています。このテーマは、彼女がアートを通じて他者と結びつくことの重要性を象徴しており、その思いは作品にも色濃く反映されています。

作品には、マル、サンカク、シカクといったシンプルなモチーフが使用されており、彼女はそれらを長く大きなカンバスに自由に描くことで自己表現を行います。言葉は少ないものの、感覚的なイメージが浮かんできた時に、彼女はその言葉を繰り返し呟くことがあり、作品が生まれるプロセスを観覧者に垣間見せてくれます。

見えるものと見えないもの

fuco:が表現する世界は、彼女だけが感じられる独自のものであり、作品を通じてカラフルに描き出されます。その映像的な世界観は、今年8月には福祉実験ユニット「ヘラルボニー」と契約を結ぶなど、さまざまな商品デザインにも採用されています。今回の個展は、彼女にとって2回目の個展であり、県外での初開催かつ初の原画販売も行われるため、特に注目が集まっています。

fuco:のプロフィール

fuco:は2000年、北九州市に生まれましたが、現在は佐賀県在住です。幼少期は感覚過敏や聴覚過敏、睡眠障害に悩まされ、4歳で知的障害を伴う自閉症という診断を受けました。支援学校に通っていた時、母の「マル描いて」という言葉がきっかけでアート活動が始まりました。高等部を卒業後は生活介護事業所に通所しており、趣味としてピアノやパズル、刺し子などを楽しんでいます。彼女は非常にエネルギッシュで人懐っこく、家庭では明るい五人家族の一員です。