伊東市の灯台を舞台にした新プロジェクト
静岡県伊東市に位置する門脇埼灯台。この美しい灯台の新たな魅力を引き出し、地域を活性化させることを目指す取り組みが始まりました。これを推進するのは、日本出版販売株式会社(略称:日販)と株式会社シードのコラボレーションによる「門脇埼灯台利活用推進プロジェクト」です。
プロジェクトの目的
本プロジェクトは、地域の観光資源を活用し、訪れる人々に新しい体験を提供することを目指しています。具体的には、音声MR技術を活用した「ボイスフレンド」というIPソリューションを導入し、訪れる人々に対してインタラクティブな体験を提供します。さらに、昼間だけでなく、周辺イベントを通じて地域の観光業の活性化も図ります。
コンソーシアムの設立
日販とシードはともに「門脇埼灯台観光推進コンソーシアム」を設立し、このプロジェクトを推進します。日販がコンテンツ制作を担当する一方、シードは地域との連携を強化し、プロジェクトの成功に向けて協力し合います。
「ボイスフレンド」とは
「ボイスフレンド」は、好きな「声」とともに、特定の「場所」で没入感のある体験を提供する新しい技術です。このシステムは、空間をそのまま利用し、事前に設定したストーリーに沿って進行します。そのため、参加者は物語を楽しみながら、灯台の周囲を探検することができます。
この技術は、特別な設備を必要とせず、スマートフォンのカメラやスキャンデータで簡単に利用可能です。また、参加者の動きや選択に応じたインタラクティブ演出が可能で、それぞれがユニークな体験をすることができます。一昨年開催された実験イベントでは、3,000名以上が参加し、大好評を得ました。
地域への影響
このプロジェクトは、伊東市が抱える観光資源の再発見だけでなく、地域経済の活性化にもつながるでしょう。部分的には、地元の教育機関や観光業者との連携も考慮されており、より多様なプログラムが期待されています。つまり、訪れる人々だけでなく、地域住民にとっても大きな利益をもたらすことが想定されます。
灯台の魅力
門脇埼灯台は、1960年に初点灯し、1995年に再建された2代目で、高さ25メートル、断崖の上に立つことから海水面から灯火部分までの高さが44メートルに達します。そのため、非常に遠くまで光を届けることができ、周辺の航路を見守っています。また、灯台からの景色は瞬く間に広がっており、晴れた日には伊豆七島や天城連山が見渡せる絶景を楽しむことが可能です。
日本財団との連携
本プロジェクトは、日本財団の「海と日本プロジェクト」の一環としても位置付けられています。このプロジェクトの理念は、灯台を通じて地域の海の歴史や文化を掘り起こし、観光地としての新たな価値を見出すことです。
まとめ
日販とシードの取り組みにより、伊東市の門脇埼灯台は、ただの灯台ではなく、新しい体験を提供する舞台へと進化します。地域振興や観光業の発展に貢献するプロジェクトは、今後も注目を集めることでしょう。