アミメハギの加速秘密
2025-05-28 13:47:29

アミメハギの泳ぎのメカニズムが明らかに!加速性能向上の秘密とは

アミメハギの泳ぎのメカニズムが明らかに!加速性能向上の秘密とは



2025年5月8日に科学ジャーナル『nature scientific reports』に掲載された研究で、アミメハギが直進遊泳時にどのように加速性能を向上させるかが明らかになりました。この研究は、金沢工業大学の福江高志研究室、のとじま水族館、岩手大学のチームによって行われました。

研究の背景


アミメハギは優れた泳ぎの能力を持っており、世界中の研究者がその生態やメカニズムに注目しています。特に、その遊泳能力は生物学だけでなく、機械工学やエンジニアリングの分野でも大きな関心を集めています。

研究概要


この研究では、アミメハギが尾びれを閉じることで加速能力が最大30%向上することが発見されました。実験では、尾びれの開閉とその結果生まれる推進力の変化を観察し、コンピュータシミュレーションを通じて流体力学的な特性を評価しました。

実験方法


研究チームは以下の2つの方法で実験を行いました:
1. 水槽観察:アミメハギの行動を実際に観察し、その泳ぎ方を詳細に記録。
2. コンピュータ流体力学(CFD):コンピュータを使って流体の挙動をシミュレーションし、尾びれの動きが推進力にどのように影響を与えるかを分析。

主な発見


  • - 尾びれの閉鎖による加速性能の向上:尾びれを閉じると、推進力は低下しますが、抗力の減少の方が大きいため、相対的な前進加速能が向上します。
  • - 尾びれの開放時の効果:逆に尾びれを開くと加速性能は落ちますが、背びれと尻びれから流出したカルマン渦が尾びれのカルマン渦によって補強され、推進効率が向上します。

これらの結果から、アミメハギが尾びれを使い分けることで、効率よく泳ぎ、必要なときに素早く加速することができることが理解されました。

今後の展望


この研究の成果は、魚類の動作メカニズムを理解する上で新たな視点を提供しています。また、バイオミメティクスの観点から言えば、アミメハギの優れた泳ぎの特性は、水中ロボットの開発にも応用できる可能性があります。

アミメハギの動きを参考にすれば、複数のひれを連携させた推進機構の開発が期待され、今後の技術革新につながるでしょう。

研究の意義


生態学的な観点から、アミメハギの加速行動が生存率にどのように寄与するのかを理解することは、環境保護の観点からも重要です。この研究は、科学と工学の新たな架け橋を築くものであり、持続可能な技術開発にもつながる可能性があります。

【掲載論文】


研究の詳細については、以下のリンクをご覧ください。
https://doi.org/10.1038/s41598-025-00315-9

著者には、金沢工業大学の藤壮寛さんや、岩手大学の澄川太皓助教、のとじま水族館の技師などが名を連ねています。この研究は東京大学のスーパーコンピュータによっても支援されており、技術的な側面でも大きな意義があります。

このように、アミメハギの研究は新たな発見が続くエキサイティングな分野であり、今後も注目されることでしょう。


画像1

画像2

会社情報

会社名
金沢工業大学
住所
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。