ナノストリングの新技術が空間生物学に革命をもたらす
2022年12月6日、アメリカのシアトルに本社を置くナノストリングテクノロジーズが、「CosMx空間分子イメージャー(SMI)」および「AtoMx空間バイオインフォマティクスプラットフォーム(SIP)」の出荷を開始しました。このプラットフォームは、基礎研究やトランスレーショナル研究の新たな可能性を切り拓くものとされています。
CosMx空間分子イメージャーの特徴
CosMx SMIは、全組織サンプルを使用して、1,000種類以上のRNAと64種類以上のタンパク質を高分解能で視覚化することができます。新鮮凍結標本やホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)標本においても、シングルセル及びサブセルレベルでの遺伝子及びタンパク質の発現を定量化し、視覚化することが可能です。この独自の解析技術により、細胞の種類、状態、機能、さらには細胞間の相互作用を一度の実験で評価することができます。
また、CosMxは、基礎研究用のバイアスの無い高プレックス仮想スライドの調整や、トランスレーショナル研究のためのハイスループット解析に対応し、あらゆる研究段階での利用に向いています。ヒトやマウス用の標準パネルの他、カスタムアッセイが可能で、多様な動物種に対応しています。
AtoMx空間バイオインフォマティクスプラットフォーム
AtoMx SIPは、クラウドベースのインフォマティクスプラットフォームで、空間生物学の研究に必要なデータストレージと解析を提供します。このプラットフォームでは、研究者は独自のインフォマティクスインフラに高額を投じることなく、数日から数時間に短縮された計算時間で解析が可能になります。また、既存のデータ解析製品を利用することや、新しいユーザー自身のコードによるカスタマイズも行えます。
科学の進展を促す技術
ナノストリングの最高科学責任者であるジョー・ビーチャム氏は、「CosMx SMIは細胞の営みと隣接細胞とのコミュニケーションを理解するのに非常に適した技術です。このプラットフォームが、教科書の生物学を一新する未来が待っています」と述べています。CosMx SMIは、組織内での細胞の挙動を明らかにし、研究者に対して新たな知見を提供することが期待されています。
さらに、CosMx SMIはThe Scientist誌によって2022年のトップ10イノベーションの1つとして認定され、各研究分野での課題解決に寄与する潜在能力を秘めた技術として注目を集めています。
ナノストリング社は、GeoMx®デジタル空間プロファイラーを含む多様な空間生物学解析装置を展開しており、研究者たちのニーズに対応した柔軟性及び高い再現性を誇っています。
詳細情報は
ナノストリング公式ウェブサイトをご覧ください。