IHI原動機が新たな航海を切り開く
2016年から世界的に進む温暖化対策は、海運業界にも大きな影響を与えています。これまで使用されてきた重油が温室効果ガスの排出源とされる中、カーボンフリーな燃料が求められています。その中でも、アンモニアは燃焼時に二酸化炭素を排出せず、環境に優しい燃料として注目されています。
IHI原動機の取り組み
株式会社IHI原動機は、国の支援を受ける「グリーンイノベーション基金/次世代船舶の開発」に基づき、アンモニア燃料を用いた船舶用エンジンの開発に取り組んできました。このプロジェクトには、日本郵船株式会社、日本シップヤード株式会社、株式会社ジャパンエンジンコーポレーションも参加しており、共同での技術開発が行われています。
この結果、IHI原動機は世界初となる4ストロークのアンモニア燃料エンジンを開発しました。この技術は、実際の商用船舶に搭載されることを前提としており、特にタグボート「魁」に搭載され、実証航海が行われました。
大きな成果と評価
今回、IHI原動機は第60回機械振興賞にて「経済産業大臣賞」を受賞しました。この賞は、機械工業の発展に大きく貢献した企業や研究機関に贈られるもので、優れた革新技術に対して与えられます。特に評価されたのは、アンモニア燃料技術が海運業界における温室効果ガス排出削減に有効であることが科学的に確認された点です。
環境への貢献
実証航海では、アンモニア燃料の混焼率や温室効果ガスの削減率が90%以上を達成しました。これは、従来の重油使用の船舶に比べて、非常に高いパフォーマンスを示しています。また、排気後処理装置の効果により、排気中の有害物質の放出もほぼゼロであることが確認されています。これにより、海運業界での脱炭素化がさらに進むことが期待されています。
今後の展望
IHI原動機は、次世代船舶の開発を通じて、カーボンフリー燃料の社会実装を推進していく方針です。アンモニア燃料技術の実用化は、持続可能な社会のリーダーシップを取る機会を与えてくれるでしょう。今後もさらなる技術革新とインフラ整備に向けた取り組みを続けることで、グローバルな環境負荷低減に貢献していく形が求められています。
こうした取り組みは、海運業界の未来を大きく変える潜在能力を秘めており、技術革新がもたらす新たな環境意識の高まりに寄与していくことでしょう。