高槻市、将棋を通じた文化教育の新たな試み
高槻市では、地元産の木材を使用した将棋駒を小学1年生に配布し、棋士による出前授業を展開する取り組みを行っています。この試みは、学生たちに将棋を身近に感じてもらうとともに、日本古来の伝統文化に対する理解を深めることを目的としています。具体的には、令和4年度から始まり、毎年実施されている活動です。
令和6年9月2日、高槻市立大冠小学校において、本年度初となる出前授業が行われました。この日の授業では、浦野真彦八段が講師として登場し、子どもたちに将棋の愉しさとその重要性を伝えました。授業は非常に楽しい雰囲気の中で進み、児童たちも和気あいあいと楽しむ姿が見られました。
出前授業の初めに、担任の先生が「木育」についての説明を行いました。高槻市では、将棋駒が高槻の豊かな森林から得られた風倒木や間伐材で作られていることを強調し、自然環境の大切さについても触れました。この部分は、将棋の駒を通じて子どもたちに環境意識を持たせる良い機会となったようです。
続いて、浦野八段は「箱の中に入っている将棋駒に触れてみましょう」と話し、児童たちが自分の手で駒を触れる時間を提供しました。子どもたちは初めて体験する木製の将棋駒に、真剣なまなざしを向け、手に取ったり、匂いを嗅いだりする姿が印象的でした。将棋駒の感触や自然素材の香りを体験することができ、興味を引き出す素晴らしい瞬間でした。
その後、児童たちはペアになり、「山崩し」というゲームを通じて、将棋の礼儀作法を学びました。このような体験を通じて、将棋が持つ伝統や文化に触れ、楽しみながら学ぶことができました。
授業を受けた子どもたちの中からは、「今まで将棋はあまりやったことがなかったけど、駒を使った遊びができてとても楽しかった。またやりたい」という声が聞かれ、初めての将棋体験を楽しんでいた様子が伺えました。このように、将棋を通じて子どもたちが興味を持つ姿勢が生まれつつあるのは、とても喜ばしいことです。
今後もこの取り組みは続けられ、来年1月頃まで各小学校で出前授業が実施される予定です。高槻市のこのユニークな試みは、将棋だけでなく、日本の伝統文化全体の普及にも寄与していくことでしょう。