JAXAベンチャー天地人が漏水リスク管理システムの特設サイトを開設

JAXAベンチャー天地人が漏水リスク管理システムを開発

株式会社天地人は、東京都中央区に本社を置き、衛星データやAI技術を取り入れた漏水リスク管理業務システム「天地人コンパス宇宙水道局」の特設サイトを開設しました。このサイトは、漏水管理に悩む自治体や水道関連企業に向けて、具体的な情報や利用方法を提供します。

日本の水道が抱える課題

日本の水道インフラは、老朽化や気候変動、そして少子高齢化に伴う予算不足などの問題に直面しています。これにより、漏水調査の需要が高まる一方、膨大なデータを扱う能力が求められています。「天地人コンパス宇宙水道局」は、こうした課題を解決するために開発されました。

システムの特長

このシステムは、衛星データを用いて、漏水リスクの診断を行います。特に重要なのは、自治体の管理エリアを100m四方に分割し、それぞれのエリアの漏水リスクを5段階で評価する機能です。この情報をもとに、漏水の可能性が高い区域を特定し、優先的に調査することが可能です。これにより、従来の経験則に頼らず、データに基づいた効率的な調査が実現しました。

技術の評価と受賞歴

「天地人コンパス宇宙水道局」は、その技術の革新性と導入のしやすさが評価され、厚生労働省や国土交通省からも注目されています。その結果、「第7回インフラメンテナンス大賞」では厚生労働大臣賞を受賞。また、2023年4月からのサービス提供開始以来、契約自治体数は20を超える実績を挙げています。

水循環基本計画との連携

2024年8月30日には、首相官邸にて水循環政策本部会合が開かれ、新たな「水循環基本計画」が閣僚の支持を得ました。この計画では、人工衛星データを活用した漏水検知システムが取り入れられ、より効率的な水資源の管理が期待されています。特に強調されているのは、施設再編や官民連携を通じた持続可能な上下水道システムの確立です。