安堂ホセの『DTOPIA』が第172回芥川賞候補に選出
2024年秋季号の「文藝」に掲載され、11月1日に単行本として発表された安堂ホセの最新作『DTOPIA(デートピア)』が、第172回芥川龍之介賞の候補に選ばれました。これは彼のデビュー作から三年連続の快挙であり、ますます注目が集まっています。
『DTOPIA』の魅力とは
『DTOPIA』は恋愛リアリティショー「デートピア」を舞台にした物語。南太平洋の楽園ボラ・ボラ島を舞台に、白人女性“ミスユニバース”を巡る10人の男性の競争が繰り広げられるストーリーです。全10エピソードで構成され、4つのカメラが彼らの人間模様を捉えます。この作品は、過去から未来へと時間を行き来しながら、執着や忘却の視点を持ち、複雑ながらもスリリングな展開が特徴です。
この作品では、ジェンダーやセクシャリティ、人種、出自に対する暴力、そして、日常生活に潜む欺瞞などのテーマが暴かれています。安堂は、その独自の視点であらゆる既成概念に問いを投げかけます。
創作活動の裏側
安堂ホセは、2022年にデビュー作『ジャクソンひとり』にて第59回文藝賞を受賞しました。その後、2023年に発表した第2作『迷彩色の男』が第170回芥川賞候補に選ばれ、そして今回の『DTOPIA』で3作・3年連続の候補作となりました。これほどの快挙は、多くの文学ファンの期待を裏切らない素晴らしい才覚を持つ作家であることを示しています。
トークイベントの開催決定
『DTOPIA』の刊行を記念して、2025年1月26日(日)に、安堂ホセと文筆家・伊藤亜和の対談イベントが開催されます。伊藤亜和も独自の視点で人気を集めている作家であり、彼女のエッセイ『アワヨンベは大丈夫』も話題になっています。このトークイベントでは、両者の作品に対する思いや創作スタイルについての考察が行われる予定です。イベント詳細は公式サイトで確認できます。
読者からの期待の声
読者からの評価も高く、柳美里や高橋源一郎など、多くの著名作家が安堂ホセの才能を絶賛しています。彼らはこの作品に期待を寄せ、文学界に新たな風を吹き込む存在として安堂を評価しています。
この文学作品がどのように発展していくのか、そして安堂ホセが今後どのような作品を世に送り出すのか、ますます目が離せません。彼の作品が、現代の社会的な課題にどのようにアプローチするのか、その進展を楽しみに待ちましょう。