新素材の電子部品
2017-05-24 14:37:53

次世代素材「セルロースナノファイバー」が切り拓く電子部品の未来

新たな時代の幕開け:セルロースナノファイバーの電子材料への応用



昨今、私たちの生活を支える電子機器やデバイスの性能は、使用される材料に依存しています。その中でも、次世代素材として注目を集めるのが「セルロースナノファイバー(CNF)」です。この新素材は、植物由来でありながら、驚異的な強度と軽さを兼ね備えています。

セルロースナノファイバーとは?



セルロースナノファイバーは、植物の繊維をナノレベルで解きほぐした素材です。その直径は最も細いものでわずか3ナノメートル、これは髪の毛の約5万分の1に相当します。CNFは、鉄の約5倍の強度を保ちながら、その重量は約5分の1程度に抑えられています。また、熱による変形が非常に少なく、半導体で使用されるシリコンと同等の低熱膨張率を持つため、電子部品に最適です。さらに、植物由来であるため環境への負荷も少なく、持続可能な社会の実現にも寄与しています。

電子部品用絶縁材料としての研究背景



電子機器の進化に伴い、プリント配線板や電子部品用の絶縁材料には、低熱膨張率が求められます。従来の樹脂は熱膨張率が高く、充填剤を混ぜて対策を行っていましたが、この方法には限界がありました。充填剤が絶縁材料を脆くしてしまうため、低熱膨張と高強度の両立が難しかったからです。

今回、太陽ホールディングス株式会社は、CNFが樹脂中で効果的に相互作用することに着目し、新たな電子部品用絶縁材料の開発に成功しました。少量のCNFを添加するだけで、樹脂の物性が大きく改善され、さらなる低熱膨張率化と強度の向上を実現しています。

新技術の特徴と展望



CNFは親水性が高く、一般的な樹脂に均一に分散させることが課題でした。これを解消するために、様々なCNF材料と樹脂の組み合わせを研究し、独自の複合化方法を開発しました。その結果、CNFを活用した高性能な電子部品用絶縁材料が誕生しました。

今後も、太陽ホールディングスはさらなる高性能化や信頼性の向上を目指し、研究開発に尽力します。電子機器におけるCNFの採用が進むことで、環境に優しい持続可能な社会の構築に貢献できることを期待しています。

会社概要



太陽ホールディングス株式会社(証券コード:4626)は、東京都練馬区に本社を構え、1953年に設立されました。主に電子部品用絶縁材料やフラットパネルディスプレイ用部材を手掛けており、業界の最前線で革新的な技術を追求しています。未来のテクノロジーを支えるため、CNFを活用した新素材の研究開発に今後も注力していく所存です。

会社情報

会社名
太陽ホールディングス株式会社
住所
東京都練馬区羽沢二丁目7番1号
電話番号
03-5999-1511

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