日揮グローバルの有人与圧ローバー支援の行方
日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤 雅之)は、同社の海外EPC事業子会社である日揮グローバル株式会社(代表取締役社長執行役員:ファルハン・マジブ)が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した競争入札事業「2024年度・2025年度 有人与圧ローバー開発に係る技術管理支援業務」に採択されたことを発表しました。
この事業は、米国主導の「アルテミス計画」の一環として、月面探査において重要な役割を果たす有人与圧ローバーの開発に関連しています。このローバーは、居住機能と移動機能を兼ね備え、月面のさまざまな地域を長期間にわたって移動できる性能を持ちます。日本は2019年にトヨタ自動車と技術検討を通じて協力関係を築き、2024年4月には日米間で月面探査のための契約が締結されました。
日揮グローバルはこのプロジェクトにおいて、以下のような三つの主な役割を果たすことが期待されています。
1.
NASAとの技術的な調整の支援
2.
プロジェクト実施に必要な文書類の作成及びトレーサビリティ管理
3.
システム仕様の設定におけるレイアウト検討や熱解析などの各種解析業務
日揮グローバルは、設立から90年以上、エネルギー関連や社会・産業インフラの分野でのEPC事業に従事してきました。その実績は80か国以上に及び、さまざまな環境でプロジェクトを遂行する能力を持っています。さらに、1980年代から2000年代初頭にかけては国際宇宙ステーションを利用したサービスの提供にも関与していました。このたゆまぬ努力が評価され、今回の採択につながったと考えられます。
日揮グローバルは、宇宙関連企業への進出を2018年から模索してきました。2020年には月面での燃料(水素)供給プラントの実現に向けた組織を設置し、2021年にはJAXAとの連携で月面推薬生成プラントの構想検討も行いました。2023年と2024年には、これらの計画に関連するプロジェクトがさらに採択され、実現に向けた具体的なステップが進んでいます。
これらを通じて、日揮グローバルは、単なる宇宙関連プロジェクトへの参加だけでなく、持続的な宇宙活動に貢献するための技術開発の実績を積み重ねています。未来の人類の月面活動に向けた基盤を築く重要な役割を担っていくことでしょう。以下に、今後の展望についてまとめます。
未来の展望
日揮グローバルは、宇宙ビジネスへの取り組みにより、世界中での宇宙探査の展開に貢献していく考えです。与圧ローバーの開発が進む中、地球外での人間の活動はますます現実味を帯びてきます。その実現に向けた技術力を持つ日揮グローバルは、今後の月面探査を支える重要な存在として注目されることでしょう。技術と経験を融合させ、国際的な宇宙探査の一翼を担うことが期待されています。
まとめ
日揮グローバルのJAXAとの協力により、有人与圧ローバーの開発が加速します。本明細な技術管理の取り組みが、未来の月面探査にどのように寄与するか、今後の進展に注目です。