STマイクロエレクトロニクスがFIPS 140-3認証を取得
STマイクロエレクトロニクス(NYSE STM)が、同社のトラステッド・プラットフォーム・モジュール(TPM)である「STSAFE-TPM」のFIPS 140-3認証を取得したことを発表しました。この新たな認証は、暗号化による資産保護を実現し、特に情報システムのセキュリティや規制要件に応えるものです。
新たに認証されたTPMの詳細
今回のFIPS 140-3認証を受けたTPMには、以下のモデルが含まれています。
- - ST33KTPM2X
- - ST33KTPM2XSPI
- - ST33KTPM2XI2C
- - ST33KTPM2I
- - ST33KTPM2A
これらのTPMは、PCやサーバー、ネットワーク対応のIoT機器に使用されるほか、特に信頼性が要求される医療機器やインフラ機器にも適用されます。更に、ST33KTPM2Iは、長寿命が求められる産業用システム向けに提供されており、ST33KTPM2Aは車載用として、AEC-Q100に準拠したハードウェア・プラットフォームをベースに商品化されています。
FIPS 140-3認証の重要性
FIPS 140-3は、暗号化モジュール向けの連邦情報処理規格の最新バージョンであり、FIPS 140-2の後継版と位置づけられます。STのコネクテッド・セキュリティ担当マーケティング・ディレクターのLaurent Degauqueは、「すべてのFIPS 140-2証明書は2026年9月に失効しますが、FIPS 140-3認証を受けた当社のTPMは、最新の設計に対応しているため、顧客はセキュアで互換性のある製品を開発することが可能です」と述べています。
機能と応用例
これらのTPMは、セキュア・ブートやリモート及びアノニマス・アテステーション、セキュアなストレージなどの多彩なユースケースに対応しています。また、200KBの拡張ユーザ・メモリを搭載しており、セキュアなファームウェア・アップデートもサポート。新しい暗号アルゴリズムの導入によって、常に最新の暗号による資産保護が維持されます。
さらに、「STSAFE-TPM」は、複数の業界標準規格に適合しており、Trusted Computing Group(TCG)のTPM 2.0やCommon Criteria EAL4+などにも対応しています。セキュリティサービスとしては、最大384ビットのECDSAやECDHを含むRSA、AESなど、幅広い暗号サービスが提供されており、高度なセキュリティを実現しています。
プロビジョニング・サービスの提供
STは製品の鍵と証明書を生成するプロビジョニング・サービスも提供。これにより、全体的なコスト是正が可能となり、製品開発期間の短縮にも寄与します。また、サプライチェーンのセキュリティ確保にも大きな効果を発揮します。
STマイクロエレクトロニクスの企業情報
STマイクロエレクトロニクスは、50,000名以上の従業員を抱えるグローバル半導体メーカーであり、幅広い市場に向けた半導体ソリューションを開発しています。顧客との強力なパートナーシップを通じて、持続可能な社会の実現を目指した技術開発を進めています。また、2027年までのカーボン・ニュートラル達成を目指し、環境への配慮にも注力しています。
詳しい情報については、STマイクロエレクトロニクスの公式ウェブサイトをご覧ください。