ゲームエイトが実施した生成AIに関する意識調査の結果とは

株式会社ゲームエイトは、ゲームユーザーに対し、生成AIの活用に関する意識調査を行いました。この調査は、同社のゲーム情報メディア「Game8」との連携により実施され、ユーザーの期待感や懸念点を探る重要なデータを提供しています。さらに、共同企画パートナーとして株式会社スパイスマートも参加し、日中米のゲーム業界における生成AIの導入状況についても分析を行っています。

調査の目的

ゲームエイトは、これまでに多くのユーザー調査を実施し、その結果をもとにゲーム企業への提案を行っています。今回の調査は、生成AIの支援がどのようにゲーム体験を変えるかを明らかにすることを目指しています。特に、ユーザーがAIに対してどのような心理的・感情的な反応を持っているかに焦点を当てています。

調査内容と結果

生成AI活用への期待

調査結果によると、ユーザーはゲーム制作や運営における生成AIの導入に対して、全体的にポジティブな印象を抱いています。約66%の参加者が「やや期待している」または「非常に期待している」と回答し、特に「やや期待している」という回答が多いことが特徴的でした。一方で、「どちらでもない」と答えた人が18.54%、懸念を示した人が15.61%という結果も見られ、期待感が優勢であることが分かります。

具体的な期待項目

具体的には、最も強く期待されているのは「ゲームの品質向上」（43.90%）で、続いて「新しいゲーム体験の創出」（27.32%）や「ゲーム開発の効率化による新作リリースの増加」（28.29%）が挙げられました。ユーザーたちは、AIの導入によってより完成度の高いゲーム体験が提供されることを望んでいます。

年代別の期待事項

年代によて期待される項目には違いがあり、特に若年層（10代・20代）は「品質向上」を重視しつつも、10代の多くが「最適化されたゲーム体験」への期待も高いと示されています。一方で、30代は「品質向上」と同時に「新しいゲーム体験の創出」にも強い期待を示しており、AI技術がもたらす革新的な要素に対する関心が見受けられます。

懸念する項目

しかし、生成AI活用に際しては懸念も多く寄せられています。「クリエイターの仕事が奪われること」や「著作権・肖像権侵害」が主要な懸念事項とされており、ユーザーはAIの導入が創作活動や倫理問題にどのように影響を与えるかを強く心配しています。

特に「クリエイターの仕事が奪われること」（33.17%）が最も多く挙げられ、続いて「著作権・肖像権侵害の問題」（31.22%）や「ゲームの『魂』や『人間性』が失われること」（30.73%）が続きます。

結論

ゲームエイトによるこの意識調査は、生成AIに対するゲームユーザーの期待と懸念の両方を明らかにしました。AIの導入がもたらすポジティブな変化を求めつつも、一方で創作活動に対する影響を懸念する声も聞かれます。今後、AIがどのようにゲーム業界に進出するか、その動向が注目されます。さらに、スパイスマートが発表する国際的な調査結果も合わせて見ることで、世界のゲーム市場におけるAIの位置付けを見極めることができるでしょう。