イーユン・リー『ガチョウの本』
2024-07-19 08:17:14

「ガチョウの本」: イーユン・リー最新作、アメリカで年間最優秀書籍に選出!

イーユン・リー最新作「ガチョウの本」、アメリカで年間最優秀書籍に選出!



「千年の祈り」「理由のない場所」など、豊かな物語と卓越した表現で世界中から注目を集めるアメリカ在住の中国人作家イーユン・リーの最新長編小説「ガチョウの本」が、7月19日に日本でも発売される。

本作は、第二次世界大戦直後のフランスの田舎とイギリスを舞台に、幼少の頃に「遊び」で小説を書き始めた二人の少女の運命を描く物語だ。

13歳の少女、アニエスとファビエンヌは、互いに深く結びついた関係で、自分たちだけの世界を築いていた。ファビエンヌが提案する「遊び」は、彼女たちの日常に彩りを与え、二人の絆を深めていた。しかし、ある日、ファビエンヌが小説を書くことを思いつき、彼女が考えた物語をアニエスが書き留めることになる。ファビエンヌは、その小説の著者名をアニエスにすることを主張する。

二人の「遊び」は、周囲を巻き込み、思わぬ方向へと進んでいく。パリの出版社に持ち込まれた原稿は、驚くことに出版が決まり、アニエスは田舎出身の若き天才作家として注目される。彼女は、イギリスのフィニッシング・スクールに奨学生として招かれることになる。

しかし、二人の関係は、その「遊び」によって変化し、複雑さを増していく。

「ガチョウの本」は、2022年9月にアメリカで刊行され、数々の賞を受賞。アメリカの主要メディアで年間最優秀書籍に選出されるなど、高い評価を得ている。鋭く繊細な筆致で描かれた、卓越したストーリーは、読者の心を深く揺さぶる。

受賞歴


2023年度PEN/フォークナー賞フィクション部門受賞
2023アンドリュー・カーネギー賞(フィクション部門)最終候補作
「ニューヨーク・タイムズ」紙 ブックレビュー編集部選出
「スレート」誌 年間ベストテン
* 「ニューヨーカー」誌、「タイム」誌、「ロサンゼルス・タイムズ」紙、「ガーディアン」紙、「フィナンシャル・タイムズ」紙、各紙誌で2022年ベスト・ブックス選出

推薦


西加奈子さん

「誰かを喜ばせる物語」の登場人物になることを拒否した少女たち

彼女たちが生きた人生は、永遠に彼女たちのものだ


著者紹介


イーユン・リー(Yiyun Li)

1972年、北京生まれ。北京大学で生物学を専攻。1996年にアメリカに留学し、アイオワ大学大学院で免疫学を研究していたが、進路を変更し、同大学院の創作科に編入。英語で執筆を始める。

2005年に短編集「千年の祈り」を刊行し、フランク・オコナー国際短編賞、PEN/ヘミングウェイ賞、ガーディアン新人賞などを受賞。その後、2009年に初の長編「さすらう者たち」を発表し、注目を集める。2010年には、「ニューヨーカー」誌上で「40歳以下の20人」の注目の若手作家に選ばれ、「天才賞」と呼ばれるマッカーサー・フェローシップの対象者にも選ばれた。

その他の著書に、「独りでいるより優しくて」「理由のない場所」「もう行かなくては」、短編集「黄金の少年、エメラルドの少女」などがある。本作「ガチョウの本」は、2023年度PEN/フォークナー賞を受賞。現在、プリンストン大学で創作を教えながら、執筆を続けている。

訳者紹介


篠森ゆりこ(しのもり・ゆりこ)

翻訳家。訳書に、イーユン・リー「千年の祈り」「さすらう者たち」「黄金の少年、エメラルドの少女」「独りでいるより優しくて」「理由のない場所」「もう行かなくては」、クリス・アンダーソン「ロングテール」、マリリン・ロビンソン「ハウスキーピング」など。著書に「ハリエット・タブマン──彼女の言葉でたどる生涯」がある。

書誌情報


書名:「ガチョウの本」
著者:イーユン・リー
訳者:篠森ゆりこ
仕様:四六寸伸判/仮フランス装/296ページ
初版発売日:2024年7月19日
定価:2970円(本体2700円)
ISBN:978-4-309-20899-2
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309208992/
出版社:河出書房新社



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会社情報

会社名
河出書房新社
住所
東京都新宿区東五軒町2-13
電話番号
03-3404-1201

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