ドローン運航管理システム
2023-08-23 10:00:03

自動交渉AIを活用したドローン運航管理システムの実現へ

ドローン運航管理システムの新時代へ



最近、自動交渉AIを用いたドローン運航管理システムの開発が進められています。これを手掛けるのはIntent Exchange社で、同社はこの技術を通じてより安全で効率的なドローン運航の実現を目指しています。

ドローンの普及と課題



ドローンの利用は様々な業界に広がっています。空撮、農薬散布、測量、点検など、用途は多岐にわたります。2022年7月末時点で、国に登録されたドローンは約29万台に上りました。2022年12月からは、有人地帯での目視外飛行まで可能になり、物流の現場での利用も期待されています。しかしその一方、運航中の衝突リスクなどの課題も残されているのが現実です。

このような状況を受けて、ドローン運航管理のためのユニバーサル・トラフィック・マネジメント(UTM)システムの開発が急務とされています。このUTMを用いることで、運航者は他のドローンの飛行計画や位置情報をリアルタイムで把握し、運航の調整が容易になります。

自動交渉AIの導入



Intent Exchangeは、NECと産業技術総合研究所(産総研)の共同研究から生まれた自動交渉AIをUTMシステムに取り入れています。この技術は、機械学習とゲーム理論に基づいており、運航者同士の経路調整が自動で行えるのが特長です。これにより、電話やメールでのアナログな調整が不要になり、時間や手間を大幅に削減できます。

経験者のリーダーシップ



同社の代表である中台氏は、NECでの長年の研究開発の経験を持ち、今後はアジア地域でのUTMの国際標準化にも関与しています。特に、ASTM Internationalでの標準化活動においても重要な役割を果たしており、これにより日本国内でのUTMが国際基準に整合することも期待されています。

地上リスク評価の重要性



ドローンの運航においては、空中だけではなく地上のリスク管理も不可欠です。Intent Exchangeは、地上リスクの分析を行うツールの開発にも取り組んでおり、これにより飛行経路上のリスクを可視化し、安全な運航を支援します。具体的には、人口密度データとシミュレーション技術を用いて、運航計画に伴う地上リスクを算出し、運航者に提供します。

今後の展望



Intent Exchangeは、ドローン運航だけでなく、より広範な自律モビリティ管理プラットフォームの実現を目指しています。空中リスクの低減と、地上リスクの適切な評価・管理を進めることで、これまで以上に安全で効率的な移動手段の提供が可能となるでしょう。

2025年には、UTMプロバイダの認定制度が導入される予定であり、これを契機により多くのドローンサービスが展開される見通しです。Intent Exchangeは、この新しい技術を通じて、未来の空の利用を根本から変える可能性を秘めています。

初年度には地上リスク評価サービスが開始される予定で続く開発を進め、その後UTMサービス事業の立ち上げにも力を入れる方針です。これにより、エアモビリティ領域におけるサービス構築だけでなく、さらなる事業展開が期待されています。

会社情報

会社名
Intent Exchange株式会社
住所
東京都目黒区下目黒1丁目8-1アルコタワー7階
電話番号

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