寿司が食後の血糖に与える影響を研究、ゼンショーHDと京都大学が発表

寿司の健康価値を探る研究

株式会社ゼンショーホールディングス（以下、ゼンショーHD）と京都大学が共同で行った研究が、寿司が食後の血糖値に与える影響について重要な結果を報告しました。2025年8月27日から29日にかけて開催された日本食品科学工学会第72回大会で発表されたこの研究の成果は、和食である寿司の新たな健康面での価値を示唆するものです。

研究の背景と目的

ゼンショーHDでは、「食を通じて人類社会の安定と発展に寄与する」という企業理念のもと、さまざまな健康に関する研究を進めています。近年、血糖値のコントロールが健康維持に重要であることが広く認識されており、特に日本食においては、ご飯を主食として食べることが一般的です。そこで、寿司として摂取した場合に、血糖値にどのような影響があるのかを探ることが重要であると考えられました。

研究の概要

この研究では、18～25歳の健康な男女30名を対象に、以下の条件で試験が行われました。
1. 寿司12貫（A）
2. すし飯のみ12貫（R）
3. 半シャリ寿司12貫（半分の量のすし飯で、ネタとすし飯を組み合わせたもの）の順番の影響（RT、TR）

参加者の食後の血糖値が測定され、その結果は統計学的に分析されました。

研究結果

調査の結果、寿司を摂取した場合、すし飯のみを食べた場合と比べて食後血糖値の上昇が抑制されることが確認されました。具体的には、炭水化物（すし飯）とたんぱく質（寿司のネタ）の同時摂取が、たんぱく質を先に摂取した場合と同水準で食後の血糖値を抑えると示されました。

このような結果は、寿司という日本の代表的な料理が、糖質に配慮した食事選択を可能にすることを示しています。特に糖質が気になる方にとっても、寿司は楽しめる選択肢であると言えます。

ゼンショーの健康に関する取り組み

ゼンショーは、ヘルシーな食事選択を促進するため、さまざまなプロダクトを開発しています。牛丼チェーン「すき家」やイタリア料理店「オリーブの丘」では、糖質を抑えたメニューを提供しており、「ロカボ」商品の開発にも力を入れています。また、食健ラボでは健康に関する情報を発信し、科学的な根拠に基づいた食事の重要性を広めています。