木島平小学校が挑む!「世界とつながる学び」プロジェクトの全貌
長野県の木島平小学校で、特定非営利活動法人なかよし学園が発信した「世界とつながる学びプロジェクト」が注目を集めています。このプロジェクトは、地域の米「木島平米」を使った学びの仕組みを通じて、子どもたちが国際的な視点を養うことを目的としています。
1. 「世界とつながる学び」の導入
2025年10月31日、木島平小学校の5年生を対象に講演会が行われ、なかよし学園の中村雄一代表が登壇しました。本講演は、子どもたちが育てた木島平米をどのように世界に伝えるかをテーマにしており、地域の資源が国際的な力になることを示しました。
この講演は、なかよし学園が全国の学校で展開している「世界とつながる学びプロジェクト」の一環です。このプロジェクトでは、子どもたちが作成した教材やアイデアを海外の教育現場に届け、現地の反応を日本にもたらす「往還型の学び」を重視しています。実際に、子どもたちは自分たちの地域資源を用いて何ができるのかを考える機会を持ちます。
2. 木島平米の価値
木島平小学校の5年生たちは、これまで「食べる学び」をしてきましたが、今回の講演では「届ける学び」への転換が図られました。中村代表は「このお米は収穫して終わりではなく、世界に届けることで他の命を救うことができる」というメッセージを伝え、子どもたちの議論を促しました。
具体的には、「どのように木島平米のおいしさを紹介できるか」「その食べ方のストーリーをどう届けるか」といったテーマが話し合われ、彼らは海外の友達へのメッセージを自分たちの言葉でまとめる課題を担います。
3. 地域のつながり
また、木島平村内の中学校でも、「世界とつながる」取り組みが進行中です。中学生たちは、地域資源や知恵を活かして自分たちが制作した品物を海外に届けようと積極的に考えています。
この流れは「かわいそうな誰かを助ける」という受動的な支援ではなく、「同じ時代を生きる人々として、喜びを共有したい」という主体的なアプローチです。このように、学びが地域に根差し、村の全体が連携している姿勢が印象的です。
4. 子どもたちの発見
講演では、子どもたちと「木島平の良さは何か」というテーマでディスカッションも実施されました。参加者たちは、お米、水の美しさ、山の景色、地域の行事、人々の温かさなどについて意見を出し合いました。中村代表は「市民が『普通』だと思うことは、世界では『素晴らしい』となり得る」と語り、子どもたちの意識を高めました。
5. 大人たちの支援
講演には、木島平村教育委員会から高木良男課長も出席し、「教育の変革期において、子ども・先生・地域が共に考えていく意義がある」とコメントしました。これは、木島平村が進める教育改革の方向性を反映しており、国際的な視点を持った教育を促進しています。
6. 今後の展望
今後、木島平小学校の5年生たちは木島平米の「一番おいしい食べ方」と「どのように世界に伝えるか」を具体的にまとめ、実際に海外の食育プログラムで紹介される予定です。また、中学校では地域の木材を使用した道具づくりや高齢者向けの杖置きなど、地域問題の解決にも取り組んでいます。
なかよし学園は、木島平の取り組みを単発の活動として終わらせず、地域全体の価値として定着させる方針を持っています。このように、木島平村は地域とグローバル教育を結び付けようとする重要なステップを踏み出しているのです。
子どもたちの行動と発想が、木島平の未来だけでなく、国際社会においても大きな影響を与えることを期待しています。