高校生が取り組む海洋ごみ問題啓発動画制作の舞台裏
福井県の一般社団法人福丼県プロジェクトが主催する「高校生記者ごみ拾い動画制作講座」が8月12日と13日に行われ、多くの高校生たちが参加しました。この講座は、海洋ごみ問題への理解を深めることを目的としており、福井県内の高校生たちがごみ拾いの様子を自らの手で動画にするという新しい試みを行いました。
「高校生ごみパトロール隊」の設立
福丼県プロジェクトは今年の5月から「高校生ごみパトロール隊」を発足し、高校生に向けてのごみ拾い活動を始めました。この活動は、高校生一人ひとりの環境問題への意識は高まっているものの、その取り組みが個々の活動にとどまっている現状を改善するためのものです。新たなコンテンツの立ち上げによって、これまでもあった情報発信を促進し、地域の連携を深め、より多くの人々の参加を期待しています。
講座の概要と哲学授業
本講座では、豊橋技術科学大学の准教授である岩内章太郎氏を講師として招き、哲学対話に基づいた授業が行われました。受講生は、グループごとに「どのようにごみ拾いの動画をつくればよいのか?」というテーマについて議論し、海洋ごみの定義やその背景を考えました。哲学的なアプローチを通じて、彼らのクリエイティブな解決策が広がり、より深い理解が生まれました。
絵コンテ作成と動画撮影
授業の後、受講生たちは三国サンセットビーチ近くの雄島コミュニティーセンターに移動し、動画制作のための絵コンテを作成しました。彼らは、哲学対話で得たアイディアをもとに、各自の視点からごみ拾いをテーマにした映像を描きました。そして、三国サンセットビーチに出向き、実際に映像の撮影を行いました。強風や波の影響もありましたが、生徒たちは工夫を凝らし、何度も挑戦しました。
編集作業と参加者の感想
撮影後、編集作業は雄島コミュニティセンターに戻って行われました。動画編集の経験がある生徒が、編集未経験の仲間にフレンドリーに教え合う姿が見られ、協力して作品を完成させる様子は、まさにチームワークの賜物でした。参加した生徒たちは、哲学対話を通じての学びや、ごみを拾う意義を考えながら、動画制作への熱意を語りました。「自分たちの世代が海洋ごみ削減のための動画を作ることに意味がある」と感じた声が、多く聞かれました。
今後の展望
この講座で制作された映像は、9月23日に福井市で行われる「高校生海洋ごみ削減動画コンテスト」で発表され、審査される予定です。また、このイベントは、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「CHANGE FOR THE BLUE」の一環として実施されており、今後も続々と活動が広がっていくと期待されています。 高校生たちの創造力とチームワークが生む新しい啓発動画が、ますます多くの人々の共感を呼び、海洋ごみ問題への関心が高まることが願われます。