東京理科大学発スタートアップのイノフィス、新作アシストスーツを発表

マッスルスーツCOOL VESTの登場

イノフィスが新たに開発した「マッスルスーツCOOL VEST」が、2023年5月26日より発売される。この商品は、東京理科大学から生まれたスタートアップ企業であるイノフィスが、労働環境の改善を目指して作り出したアシストスーツである。

暑熱対策への取り組み

近年、夏の酷暑が作業環境に与える影響が深刻化しており、特に建設や物流、農業、製造業などの現場では熱中症対策が求められている。イノフィスは、従来のファン付きジャケットや水冷服といった製品が持つ課題を受けて、全く新しい解決策を提供することを目指した。

「マッスルスーツCOOL VEST」は、ペルチェデバイスとファンを搭載しており、これにより従来の冷却方法では得られなかった快適さと効果を実現している。具体的には、ペルチェデバイスによる直接的な冷却効果に加え、ファンからの送風によって更なる冷却を加え、2つの機能によって体温をコントロールする。

各種機能と特長

このスーツにはいくつかの注目すべき特長がある。まず、ペルチェデバイスは電気を流すことで熱を吸収し、体の熱を取り除く効果がある。さらに、このデバイスとファンの両方は3段階の温度と風量設定が可能で、ユーザーは自分に最適な環境を選ぶことができる。

また、スーツは各業種で特有の作業環境に適応するよう設計されており、ファンは脇腹に配置されているため、車両運転や座位での作業時にも干渉しない。このように、ユーザーの安全と快適性をしっかりと考慮している。

安全性の高いバッテリー

さらに、使用されるバッテリーはリン酸鉄モバイルバッテリーで、安全性が高く、温度変化にも強いのが特徴だ。20,000mAhのバッテリーは、他のリチウム系と比べて長寿命で、通常使用であれば最長8時間の連続運転が可能。また、UVカット加工された生地を使用することで、紫外線からも肌を守る。

新たな安全基準に対応

2025年6月1日から適用される改正労働安全衛生規則では、職場での熱中症対策が法的に義務化される。この新基準に合わせて「マッスルスーツCOOL VEST」が役立つことに期待が寄せられている。特に気象庁の予想では、2025年の夏は猛暑が続く見込みであり、作業現場での安心しての作業環境の提供が重要である。