自動車整備士不足解消に向けた新たな業務提携
2023年、フォースバレー・コンシェルジュ株式会社(以下、フォースバレー)と株式会社WECARS(以下、WECARS)が業務提携を結び、自動車整備士不足問題への解決策を提供する新たな一歩を踏み出しました。この提携により、両社は専門スキルを持つ人材を育成し、自動車業界の持続可能な発展を目指すとしています。
提携を結んだ背景
日本の自動車整備士不足は、業界全体の大きな課題として浮かび上がっています。商用車やトラック、タクシーといった様々な分野において整備士の減少が続いており、特に高齢化が進む現状を踏まえると、早急な対策が必要です。一般社団法人日本自動車整備士振興会連合会(JASPA)によると、整備士の平均年齢は46.7歳に達しており、若手の確保が求められています。
フォースバレーは、これまでネパールやインドなどで専門教育を受けた人材の育成に取り組んできました。今回の提携により、自動車整備士育成の新たな枠組みを築き上げることが期待されます。
業務提携の意義と今後の展望
今回の業務提携は、自動車整備士不足という日本社会における喫緊の課題を解決するための新しい試みです。フォースバレーは国際的な人材育成に実績があり、WECARSは自社のネットワークとノウハウを活用します。両社の強みを活かし、持続可能で革新的な解決策を提供する体制を整えることで、モビリティ業界全体の人材供給力を高めることを目指します。
輩出する人材像
フォースバレーが育成する人材は、自動車整備に関する高度な専門知識と技術を持ち、日本企業のニーズに応える即戦力として位置付けられます。彼らは、南アジア地域の大学や専門機関との連携により、以下のようなプログラムを受けます。
1.
自動車整備に関する専門教育
2.
日本語や日本文化の学習
3.
整備士として必要な実践的なスキルの習得
このカリキュラムによって、現地で培った知識を日本での実務に生かす体制を構築します。
WECARSの概要と今後
WECARSは東京都千代田区に本社を置き、国産・外国車の中古車や新車販売、車両の買取業務を展開しています。2024年には、伊藤忠商事や伊藤忠エネクスなどと共同で設立され、業界の新たなプレーヤーとして注目されています。WECARSの取締役副社長、山内務氏は、「整備士不足は当社にとっても重要な課題であり、今回の提携を通じて、現地の大学生を整備士候補として採用し、教育課程の共同構築に努めます」と述べています。
おわりに
日本の自動車産業は、サービスの質を維持するためにも次世代の整備士育成が不可欠です。フォースバレーとWECARSの業務提携は、この難題に挑む重要なステップとなるでしょう。両社は協力し、業界全体の持続可能な未来を見据えた取り組みを進めていく姿勢を貫いていく所存です。