クレジットカード不正利用対策強化に向けた提携
2023年、Cacco株式会社(以下「Cacco」)と株式会社NTTデータ(以下「NTTデータ」)の間で新たな業務提携が発表されました。この提携は、EC市場におけるクレジットカード不正利用を防ぐことを目的としており、特にEMV 3-Dセキュア(EMV 3DS)領域での強化を図っています。
提携の背景
オンラインショッピングの急速な普及により、クレジットカードの不正利用被害が増えています。Caccoは、国内での不正検知サービスの導入実績が最も多く、特に「O-PLUX」というサービスを通じて、多くのEC事業者に安全な取引環境を提供してきました。そして、NTTデータは進化した本人認証基盤「ACS」で、国内主要カード会社との連携を深めてきました。
この2社の提携により、両社はEMV 3DSのフレームワークに組み込まれることで、一層精度の高い不正検知が可能になると期待されています。2025年3月までに全てのEC事業者にEMV 3DSの導入が義務付けられる中、すでに62%の事業者が対応を終えているとのことです。このような背景を受け、新たな取り組みとして両社の連携が締結され、クレジットカード決済市場の信頼性を向上させることが求められています。
EC市場の現状と課題
日本国内のEC市場は急激に成長しており、それに伴いクレジットカード不正利用のリスクも増大しています。NTTデータが展開するACSは、多くのカード会社で導入されており、その信頼性は広く認識されています。Caccoの提供する「O-PLUX」は12万以上のサイトで利用されており、安全なオンライン決済の実現に貢献しています。
Caccoはこれまで、ACSベンダーとの協業を通じて不正検知技術の精度向上に努めてきましたが、NTTデータとの新しい提携によって、リスク検知の精度はさらに向上すると考えられています。
EMV 3-DセキュアとACSの役割
EMV 3DSは、オンライン決済の際に本人の認証を行うための国際標準仕様です。加盟店や決済ネットワーク、カード会社の連携によって、認証が行われます。この中でACSは、カード発行会社のシステムとして重要な役割を果たしています。顧客が決済を行う際、加盟店は必要に応じて本人確認を実施し、その際にACSが働きかけます。
CaccoとNTTデータの連携による新たな可能性
今回の提携により、Caccoはより精度の高い本人認証が可能になり、新しい決済体験を提供します。Caccoの代表取締役社長、岩井裕之氏は、NTTデータの技術と自社の不正検知技術を統合することで、リスク検知の向上とユーザーの安心感を実現すると強調しています。
未来への展望
Caccoのプロジェクトは、企業の課題解決やチャレンジに対する支援を目指し続けます。安全性と利便性を兼ね備えたオンライン決済の実現に向けて、今後も新たな取り組みが続くことでしょう。私たちはこの取り組みを通じて、決済業界の信頼性を高め、市場全体の発展に寄与することを期待しています。